テキーラとお酒断ち四年 + 短歌
2009年 01月 18日
18:23
写真は
サウザというテキーラである。なぜアルコール依存症者の家にこんなものがあるかと言えば、もちろん飲むためではなく、いたしかたない事情でここにあるのである。
昨年大晦日に娘が帰省したときに持って帰ってきたのである。そして、横浜に戻るときに「そうそう、これ重いねん、置いていくわ」って「おいおい」と、こっちは引いてしまった。お咲きさんがときどき飲む焼酎や高級料理酒とアルコール類が家の中に皆無というわけではないのだが、こう堂々と存在を主張されると、ちょっと違和感を覚える。しばらく見かけないものが家にあるという感じ。パンクファッションの姉ちゃんが携帯にキティちゃんのストラップを付けているぐらい変である。
なんでもお酒を持ち寄って忘年会をやり、このテキーラが一本あまったらしい。誰も重いので持って帰る者がおらず、ジャンケンで所有者を決めることになり、わが娘さんが負けたというわけである。おお、ひと昔前ならお酒が余る忘年会なんて想像がつかなかったのだが、今はそんな時代らしい。
娘さんが帰省してくるときはいつもお咲きさんもいるのだが、今回は違って、お咲きさんは実家に帰っていて、娘さんと二人きりの大晦日だった。ずいぶんと気が重たかった。迷惑かけているからね。私は益荒男的アル中ではなくて暴れたりはしなかったのだが、お咲きさんに言わせると「向こうの世界の住人」だったようで、ときどき現実に戻ってきては会話をしてまたあの世に戻って行く幽霊のようだったらしい。
その、娘さんが私の前にテキーラ一本置いていくのだから、どうしたものだろう。トラウマがあって、私の前に一滴のお酒も見せない態度をとる可能性もあってしかりなのだが、ついぞそんな態度をとったことのない娘さんである。「ああ、お酒やめてたのね、でも、このテキーラ重いからそっちで処分しといてね」てなことで、ちょっと私は娘さんに関して肩の荷をおろしてよいものかどうなのか………いやはや。
で、このテキーラを10日上京する折に歌友テキーラさんにプレゼントすることにしていたのだが、あること自体が特別なことなので、持っていくのを忘れてしまったのだった。よんどころなく、まだわが家にテキーラが一本ある。目ざわりというほどでもないが、アル中という病気は「いつなんどき」という恐れがあるから、眼前から消し去ってしまった方がいいに決まっている。キッチンの流しに捨ててしまえばいいのだが、そんな親の仇打ちがごとき精神状態でもない。で、テキーラさんに宅配便で送ろうと思うのだが貰ってくれる?
テ キ ー ラ を テ キ ー ラ さ ん へ 送 る 由 酒 断 ち 四 年 の 記 念 に せ む と
で、私は今日で、お酒断ちを始めて丸々四年になった。記念のテキーラだよ、テキーラさん貰っておくれ。いつこの日記読むかしらないけれど。
で、今日の短歌
冬 の 陽 の ふ ひ に 翳 れ ば わ が 胸 の あ く た あ ぶ く が そ ぞ ろ ご と 言 ふ
ふゆのひのふいにかげればわがむねのあくたあぶくがそぞろごという
只今のながらCD
RENAISSANCE / VANILLA FUDGE
by alglider
| 2009-01-18 13:47
| 短歌