ブログトップ

あるのすさび

さびしさを糸でかがればかぎ裂きのかたちしてをり棘のあるらし


by alglider
プロフィールを見る
画像一覧

ドキガムネムネ + 短歌

f0100480_18231036.jpg


19:46

 何とか


 終えた。今日の原稿のことである。私の不安症は2年半ほど前に発症した。断酒会を回り、お酒を断って1年半が過ぎ、そろそろ社会復帰、と郵便局の夜勤の仕事を始めた。3か月ほど局の仕事が順調に続き、ある夜、郵便局へ向かうため天神橋筋商店街を抜けようとしていると、かつての飲み友達に出会った。彼は中堅の編集会社に勤めている。「やあ、やあお久しぶり」とあいさつを交わすと、ちょうど会社案内を書けるライターを探していた、と言う。彼は、私がアル中で入院してたことも飲み屋発のうわさで知っていたが、以前、私が某女性下着メーカーの入社案内で広告賞を取っていたのも知っていた。で、「仕事をしてくれない?」とオファーを受けた。


 お酒が止まっていた私は、そろそろ本業に戻ってもいいかと引き受けたのだが、これが軽率、失敗、アルコール依存症を甘く見ていた。資料を受け取り、計画を立て、資料を読み込み、いざ原稿を書こうとすると、駄目なのである。飲んでいたときの、締切を守らなかった罪悪感やアンモニア血中濃度の数値が高く激しく記憶力が低下していたことや、さらにそんなことを気にもかけずに飲んでいたことが思い出され「本当にこの仕事がアップできるのか?」という不安で体調はぼろぼろのところまで行きついた。最悪になった。夜は不安で一睡もできず、動悸が激しく胸を突き上げる。これは駄目だと、まだ後戻りできる期間内の一週間ほどで断わりの打ち合わせをした。彼は残念がったが、私は申し訳なさでいっぱいだった。救いは、だらだらと取り返しのつかない最後の最後で放り出さないで、まだ間に合う時点で断わりの判断ができたことだった。これはお酒をやめていたささやかな成果だった。


 今、私は新聞社の内勤アルバイトで原稿を書いているが、変化はあるがルーティンワークの範囲内である。今回、映画紹介の原稿を書くに当たって、職場ではいつもの仕事があるので、残業はせず家で書く段取りをつけた。もうお酒をやめて4年も経つのだからという判断もあったし、今の仕事が順調ということもあった。が、それもまだ甘かった。今日も昼からパソコンに向かうと、動悸が激しく高まってきて、不安の帳が晴れ上がった春の日中に落ちてきた。うーん、どうしょう。締切までまだ3週間ほどあるのに「もうできないかも」という不安がふつふつと湧いてくる。諦めて、明日、職場で残業するか。職場なら安全であり、家で原稿を書くという行為が過去を思い出させ、不安の引き金になっている気がする。


 で、しかーし、精神安定剤を飲んで、音楽を聞きながら、珈琲を飲んで、煙草を吸って、とごまかしごまかししながら、んで、やり遂げた。まだ手を入れなければならないが、大筋は書きあげた。ここまでやっておけば、あとは職場で細かい訂正をすれば何とかなる。そこまではたどり着けた。精神的にしんどい一日だったけど、心臓の動悸も激しく破裂するのではないかと身体的にも恐ろしかったのである。今も少しバクバクしてるが、太極拳に行っていたお咲さんも帰宅し、そのことを話し、何とか持ち直すであろう、な一日であった。


 追記。思いばかりでなく身体までも悔やんでいるのなら、それをよしとし、体からのお告げと思いやっていくことにした。





姉妹短歌

迷 ひ 道 た れ の 灯 せ る れ ん ぎ よ う か 黄 の ぬ く も り は 標 と な り て




まよいみちたれのともせるれんぎょうかきのぬくもりはしるべとなりて








只今のながらCD

HAMBURGER CONCHRTO / FOCUS
[PR]
Commented by at 2009-03-29 22:00 x
よかった、大筋までできあがって。
Commented by やねうらねこ at 2009-03-29 22:57 x
ほんとに・・ (^^)
Commented by パンタタ at 2009-03-29 22:57 x
文さんへ
はい。まだOKが出るかどうかは分かりませんが、
そんなことより、今日を乗り越えて、
この仕事が続けられそうな気がしています。
ほんと、ちょっとねぇ、心臓バクバクで死ぬかと思いましたよ。
Commented by パンタタ at 2009-03-29 23:12 x
やねうらねこさん
オーッ! ありがとうねえ......
Commented by おぽんち at 2009-03-30 21:42 x
パンタタさん

春は心も身体もなかなかついていかないですよね…。
パンタタさんの文を読んでて、私もドキドキしました。

返歌
連翹の食事に呼ばれた黒猫の後ろ姿に嬉々とする我
Commented by パンタタ at 2009-03-30 22:12 x
おぽんちさんへ
すみません、ドキドキさせて。
なんとか出来上がったのですが、お咲きさんに見せると、
ここがこうおかしいと、チェックが入りました。たはっ。

いつも返歌ありがとうございます。
この歌は微笑めればいいんですよね。
Commented by おぽんち at 2009-03-30 23:08 x
出来上がったんですね。
お家に編集者がいらっしゃるとは…。
連翹を食べている猫がいたんです…。
なんだかほのぼのしました。
Commented by パンタタ at 2009-03-30 23:17 x
おぽんちさんへ
多分、明日で終了すると思います。
お咲きさんの仕事は、特殊な業界の編集者でして、
自分で創作はしはりませんが、
そら、チェックは厳しおます。はあ。
古文もちょっと詳しいし。はあ。

猫が連翹を食べてたんですか。
何か虫下しみたいな効果があるのかな。動物って薬草を知ってるといいますからね。特に野良は。
Commented by てき at 2009-03-31 01:16 x
まあ、なるようにしかならないしね。
ご自愛路線でいきましょう。
Commented by すずぼん at 2009-03-31 18:48 x
おお、おつかれさまでございました。。

>思いばかりでなく身体までも悔やんでいるのなら、それをよしとし、

図太いワタクシめなど比べるべくもありませんが、
このこととても大切と、つねづね心得ておりますです。
Commented by パンタタ at 2009-03-31 21:32 x
てきさんへ
はあ、でも幾分かましな方向へ向かっていますです。
「ご自愛路線」
おっ!七文字、使えそうじゃん(笑)
Commented by パンタタ at 2009-03-31 21:33 x
すずぼんさんへ
いやいや、私なんてちょろいものです。
叱咤激励よろしくお願いいたします。
もうすぐ開幕だね。
by alglider | 2009-03-29 18:23 | 短歌 | Comments(12)