枇杷の葉 + 短歌

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23:51

 駅に向かう


 道沿い。陽の当らぬ団地の裏側に枇杷の木が繁っている。一本、二本、三本といくつあるだろうか。その葉は暗緑色で垂れ下りいかにも重そうに見える。葉の数も多い。その鬱蒼さをどう表現したものかと考えていたのだが、歌友の文さんが




長月の枇杷の葉みつしりさみしければ連らなりて飛ぶしやうじやうとんぼ




 と詠い、この「みつしりさみしければ」はほんとうにうまいなあ、とほれぼれしてしまったのだった。その枇杷の葉に新芽が出はじめている。あんなに陰鬱な肉厚のべろんとした葉に、繊細な光に透ける白い葉が細く、天を指し示している。

 それははっとする光景だが、日に日に重くいつもの枇杷の葉に変わりつつある。





推敲2
か た く な に 黙 し つ づ け し 倦 怠 の 枇 杷 の 葉 芽 吹 き 反 旗 を か か ぐ



かたくなにもだしつづけしけんたいのびわのはめぶきはんきをかかぐ





推敲中
心 地 よ く 裏 切 る も の に 御 加 護 あ れ 枇 杷 の 芽 天 へ 楔 を 打 て り



ここちよくうらぎるものにごかごあれびわのめてんへくさびをうてり







只今のながらCD

THE HUMAN MENAGERIE / COCKNEY REBEL
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Commented by at 2009-04-01 18:11 x
パンタタさん、紹介ありがとう。
枇杷の葉っぱって、独特ですものね。

今日は吟行合宿のためにJRの切符を買ってきました。
伊東の方まで出かけます。大阪より東は何年ぶりだろう。熱海で乗り換えです。熱海の辺りって、富士山が見えるのでしょうか?
東側、地図が頭に入っていません^^;
Commented by パンタタ at 2009-04-01 20:43 x
文さんへ
枇杷の葉っぱ、しばし眺めていることもある変な私です。
今、白い新しい葉がきれいです。

伊東に行くならハトヤですね、電話はヨイフロって古っ。
富士山どうでしょう? 私もうといです。
お咲きさんが多分見えるのでは、と言っておりますが、
確かなことは分かりません。はい。
Commented by 辰巳泰子 at 2009-04-03 15:27 x
写真誰、、、分からない、、、みんな知ってる人ってことは、
歌人か編集者ですよね、、あぅ
Commented by パンタタ at 2009-04-03 20:40 x
辰巳泰子さんへ
えー、4月1日のコメント欄で種明かししましたが
「黒衣の短歌史」の故・中井英夫氏です。
中井さんの写真は結構数多く見かけますが、私はこれが好きです。
若いころのピンボケの写真にもかっこいい青年姿がありますが。
私の中井英夫さん体験は短歌ではなくて
アンチ・ミステリーの金字塔「虚無への供物」でした。
それから、いろいろ小説の方を読んで、
氏との短歌とのかかわりを知ったのは随分と後のこと。
「虚無への供物」は年に一回は読みます。
それほど好きな推理小説です。
Commented by 辰巳泰子 at 2009-04-04 11:24 x
びっくら!!

おんなじ写真が、「彗星との日々」の中にありました。27ページ。
キャプションが、ところどころイヤなんよ。
ちなみにこの写真のキャプションは、「この世がいやでいやでそのくせまだ生かされている苦痛」。

昔のウェブ日記でそのこと書いたら、
本多さんの知人という方が、メールをくれはってね。
「本多さんはええ人ですよ」ゆわはるの。
せやからどないやねん、と。
そのモノサシがイヤなんよ。
ええ作品書いて、そのうえ、ええ人でないとあかんみたいな、そのモノサシが、イヤなんよ。
「ええ人ですよ」と言われて、
「そぅやったんですか。へぇ~」と、こっちまで、ええ人せなあかんのか、と。
そのとおり返してまいました、、、

「思いやりがないのではなく人が存在しないと思ってる」中井英夫は、
人を追い出したりもしなかったと思う。
悪魔も天使も、追い出さへんかったんと違うかな。
たまたま追い出されへん天使が、そこにおる悪魔を追い出してくれゆうんは、間違うてるよ。
Commented by 辰巳泰子 at 2009-04-04 11:33 x
「彗星との日々」(本多正一)

Commented by 辰巳泰子 at 2009-04-04 15:22 x
「彗星の日々」の、わたしの感想は、
本多氏が中井英夫を愛し抜いたという構図でまとめられた本やけど、
ほんまは逆やったんちゃう、ゆうこと。

中井英夫が本多氏を愛していたと思う。

本多氏は、酒の悪魔を追い出して小説を書いてくれと、
中井英夫に求め続けて、
それが本多氏の愛情やったんやろけど、
悪魔と、悪魔を追い出しがたる天使と、どっちを追い出すかゆうたら、天使を追い出す。それが表現者。
そんな天使とおったら、書けんようになるもん。
中井英夫は、本多氏といっしょにおりたいから、別に書けなくなってもいいと、本当は思っていたはずです。
でも、書けなくなったと言ったら、がっかりさせるから……。

御一読まだでしたら、送ります。
Commented by パンタタ at 2009-04-04 18:29 x
辰巳泰子さま
「彗星との日々」持っていませんでしたが、
このコメントを読み、さっきアマゾンで古書(600円ほどでした)を求めました。
じゃ、この写真は本多氏によるものですかね。
やはり、他の本に載っているスナップや記念撮影風のものとは
随分違いますね。
本が手元に届いたら、上記コメントと合わせて考えてみます。
by alglider | 2009-03-31 22:42 | 短歌 | Comments(8)

さびしさを糸でかがればかぎ裂きのかたちしてをり棘のあるらし


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