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あるのすさび

さびしさを糸でかがればかぎ裂きのかたちしてをり棘のあるらし


by alglider
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葉月朔日

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23:11

 えーっ


 七月に作った短歌、文月歌十六首を sutanka (←クリック) にまとめました。



 診察を終えたら、映画「ノウイング」を見る予定にしていた。まあまあの計画だったのだが、思ったより待ち時間が短くて、映画が始まるまで三時間ほどの余裕ができてしまった。


 梅田をぶらぶら歩く。昔、朝からお酒を飲みまくっていた居酒屋の前を歩くと、懐かしい大将の顔が見えた。暖簾をあげると「よおっ」と大将が出てきて「元気そうやな、ときどきブログ読んでるでぇ」。当時一緒によく飲みに行っていた友達などの情報を得る。みんな元気そうでなにより。


 で、まだ時間がある。阪神デパート地下の名物「いか焼き」を食べに行く。私の前にいたおばちゃんの注文がすごかった。「いか焼き5枚。3枚と2枚、別々の袋に入れてくれてぇや」と。若い女性の店員さんが「はいよ」。おばちゃんが「箸入れといてな」。店員「前に置いてますから入れてください」。おばちゃん「自分で入れるの?」。それでええやないの割れるかもしれんし多めに持って帰ったら、なんて私は思う。店員さんは優しくて「2枚入れた袋のほうは輪ゴムを二つかけてますから」「はあ?」「だから2枚のほうは輪ゴムが二つ……」。おばちゃん「人にあげるんやから1枚ずつ包んでえなあ。なんせ初めてやから、この店、初めてやから」と「初めてやから」を繰り返す。おばちゃん、初めてやったら丁寧に説明しぃなあ……しかもその特殊な注文内容。いくらこの店が初めてでも買い物すんのが初めてではあるまい。店員さんめっちゃ親切でまともやのに、これではかわいそうである。


 こういうことらしい。1枚ずつ包んだもの2枚セットで一袋、3枚セットでもう一袋。ただ、これも多分違うと思う。おばちゃん「輪ゴム二つ」でもう訳が分からなくなって「1枚ずつ包んで」と口から出てしまったに違いないと思う。うろがきたんやね。1枚ずつ包んだものをさらに二袋に分ける不可解さもさることながら、誰にあげるのかと興味がわいた。後をつけてみたかったが、私には映画の予定があった。


 店の店員さんのことを書いていたら、思い出した。近くの煙草屋の兄ちゃんである。地元の地主の息子さんで、家は貸し事務所などをいっぱい持っている分限者である。


 で、息子さんは煙草屋さんの店番をしている。その息子さんが、要領が悪いというか、何も気にしていないというか。煙草をカートンで買うとライターを一つオマケしてくれる。で、私が「カートンで」と注文すると、まず奥からその銘柄の煙草をがさがさ取り出す、そして、下の方からライターをごそごそ選び出す、そして袋を奥の方へ取りに戻ってざわざわとして、お釣りを自分のカバンをゆっさゆっさやって出す。売買に関するアイテムがばらばらに配置されているのである。


 どう考えてもおかしいし、やっていてさぞ不便だろうと思うのだがその方法はずっと改まらない。ま、それだけ動かはっても待たされるわけでもないし、見ていてなかなか面白いというか、ものすごく丁寧で愛嬌がある兄ちゃんなのである。人には他人の理解を超えたところに己を快適にさせるリズムというものを持っているものだ。んで、分厚い本をいつも読んでいるから、司法試験の勉強でもしてるのかな、なんて思っていたが、ちらっと妖怪の挿絵が見えたので、どうも京極夏彦さんの本のようである。


 ま、面白い客もいれば、売る方もいるというわけで、そんなこんな土曜日でした。







只今のながらCD

OCTOPUS / GENTLE GIANT
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Commented by ミニ at 2009-08-01 22:05 x
写真、ブルーのレンズをつけたのですか?それとも青い照明ですか?
大きく見開かれた瞳が印象的な少年ですね。何か物言いたげな・・。
Commented by tanka_meitey at 2009-08-01 22:39
Amazonで見ました、ハリネズミの木のジャケ★
(コンサイスにはなかったけど、何の木だろう?)
意外に多作だったので、ジャケ買いに走りそうです(^^ゞ こんな青は心理的に効くなぁ~★
Commented by パンタタ at 2009-08-01 23:23 x
ミニさんへ
さっそく場外まで足をはこんでくださりありがとうございます。
あ、これはCDのジャケットを写メしたものでした、
PORCUPINE TREEというバンドの「FEAR OF A BLANK PLANET」というものです。
ちょっと怖いかんじもね。サイコ的。音はいたって現代プログレですが。
Commented by パンタタ at 2009-08-01 23:26 x
冥亭さんへ
ジャケ買いねぇ、結構気になるデザインが多いので、出費かさみますよ。
名前はそのままではないかしら、洒落ということで。
Commented by ぷよよん at 2009-08-01 23:39 x
京極夏彦さんの文庫は定価1000円こえる分厚い作品ありましたね!!



関西のおばちゃん。
興味あります(*^_^*)
Commented by パンタタ at 2009-08-01 23:51 x
ぷよよんさんへ
どうも、ちょっと落ち着きましたか、あなたが倒れちゃうようなことではあかんよ。
京極さんね、煙草屋の兄ちゃんが読んでたんはノベルスのサイズだったと思う。
うちに全部そろってるから分かりますねん^^/
Commented by NEU!(ノイ!) at 2009-08-02 01:31 x
志賀直哉(だったか?)に招かれた外国人が、
床の間で掛け軸を見せられる。
掛け軸は幾つかあるのだが、一度に並べて掛けて見せることはしない。
予め用意して、次から次へ掛けては外す、ということもしない。
ひとつ掛けて、別室に次の掛け軸を取りに行く。
戻ると、外して、掛け直す。そして、また別室に取りに行く。
外国人に言わせると、その間合いが、またひとつの饗応になっているらしい。
ま、主人が別室に姿を消してくれた方が、気楽に観れるわな。
変に褒める必要もないし。いや、ポイントはリズム感か?
Commented by パンタタ at 2009-08-02 01:59 x
NEU!さんへ
この話は聞いたことがありません。
そうか煙草屋の兄ちゃんは兄ちゃんなりに
私を接待していたのかもしれん、って、
私、外国人ちゃうしぃ.......
とにかく関西弁「おおきに」を連発する、
めちゃ腰の低い、要領の悪い、独特のリズム感をお持ちの御仁です。
Commented by テキーラ at 2009-08-02 12:06 x
ごぶたさです




 錆びてゆく空へ群れなすたちあふひ無力であれと言ひし人あり

いい歌ですね。好きですが、初句「錆びてゆく」が言いすぎでは?「無力」と付き過ぎでは?
この歌の場合空は明るく広やかな方がなお「無力」が光りだすのでは?


 あまのかわ皿に横たふ魚の眼に流れゆきたる夕餉のありぬ 

この歌はなんともいえない「無力感」が伝わってきます。十六首中最もシンプルに歌い切れていますね。
天の川も魚も皿に横たわっていると言うことでいいのかな?


 文月の余白に書きし言づてのあいまいとなり折り鶴にせむ

これが今、最もパンタタさんの状態に近い歌なのでしょうか。
「文月の余白」が詩的ではあるのですが、もっともっと素敵な言葉で埋めて欲しいと言う思いもあります。きっとあると思います。


最近ちょっとシンプルなつくりから離れかかっていますね。
悩まれているとありましたが・・・・


僕の携帯からだと外部ブログにはコメントが書けないみたいです。
うう。
(今日はパソコンから。)
Commented by パンタタ at 2009-08-02 13:11 x
「あら~、テキーラさんご無沙汰ぁ~、待ってたわぁ~ん」って。

「錆びてゆく」が言いすぎでは?  「あっ」という感じでした。ども、うう。

あまのかわ~の歌は義父の四十九日にお咲きさんの田舎で詠んだもの。
綺麗にあまのかわの見える山の中でね、どうも、あまのかわが死者の連なりに見える。そして義父は魚釣りが好きで、皿に横たわっている魚の眼にもあまのかわが流れて見えたのさ、って。さ、って。

文月の余白~の歌。カレンダーをめくった時にできた歌。
初めテキーラさんが書き込んでくれた意味がとれずにいたのですが、
理解しました。

ええっ! すごくシンプルになってしまって、何かうねりがでない、と悩んでいるのです。うう。

by alglider | 2009-08-01 20:07 | 日々是口実 | Comments(10)