ブログトップ

あるのすさび

さびしさを糸でかがればかぎ裂きのかたちしてをり棘のあるらし


by alglider
プロフィールを見る
画像一覧

十六年過ぐ

f0100480_20555917.jpg


21:55


 今日は


 中井英夫さんの十七回忌である。年に一回はアンチミステリの傑作と言われる「虚無への供物」を読む。この物語の始まりは奇しくも十二月十日、しかも亡くなった曜日も同じ金曜日だったと聞く。呪われているのではなく祝福された巡り合わせと言っていい。葬儀は台東区法昌寺で行われ導師は月光の会主宰、福島泰樹さんだった。



虚 無 へ 捧 ぐ る 供 物 に と

美 酒 す こ し  海 に 流 し ぬ

い と す こ し を
 


P・ヴァレリイ



 写真は三一書房から発刊された中井英夫作品集。古本屋を回ってこつこつ集めたが、全巻はそろえられなかった。作品集内の塔晶夫名義でだされた「虚無への供物」は手に入れたのだが、友人に貸し出して、その友人が阪神淡路大震災に遭遇。友人は助かったが、本は行方不明。文字通り「虚無への供物」となってしまった。惜しいとは思わない、それはそれで天の采配だったのだろう。


 ただし、文庫で読む「虚無への供物」は古くって、文字が小さい。老眼にはちとつらい書物となってしまった。買い替えなければ。




秘すために天の秤を合わさむと、そんなこんな供物の夜だ。




只今のながらCD

DEADWING / PORCUPINE TREE
[PR]
Commented by 芥子 at 2009-12-11 15:37 x
中井英夫の「黒衣の短歌史」はおもしろいです。
Commented by パンタタ at 2009-12-12 00:57 x
芥子さんへ

「黒衣の短歌史」はいいですね。
あれは一家に一冊の本です。

Commented by 高人(タカト) at 2009-12-13 17:42 x
“虚無への供物”は塔晶夫名義の講談社版を所有しています。昔学生運動が激しかった最中、ある早稲田出身の革マル系の詩人・評論家に「怖いミステリーがある」と紹介され、ほどなくして古本屋で入手。深夜に読み進み、後ろを振り返るのが恐ろしかった記憶が鮮明に残っています。

“黒衣の短歌史”は、私の作歌における座右の聖典みたいなものかも、、、
Commented by パンタタ at 2009-12-13 20:05 x
高人さんへ

後ろ振り返るのが恐ろしい、うん、とてもよく分かります。
初読は特に、恐かったです。
「匣の中の失楽」も恐かったですねぇ。

mixiのトップ写真、高人さんの日記を見て、アンダーカレントを
お持ち帰りしちゃいました。

Commented by 高人(タカト) at 2009-12-13 20:59 x
「匣の中の失楽」、あれも怖い。
竹本健治は中井の遺鉢を継ぐものと思いきや、どうなんでしょうかね。
随分読んだのですが、途中で何かよく分からんようになってしまいました。

「匣の中の失楽」を「匣の中の悦楽」なんて書き間違ってたことがありましたが、、、^^;(全然意味が違いますがな)

やはりトップ写真は、そうでしたか。
Commented by パンタタ at 2009-12-13 22:47 x
高人さんへ
「匣の中の悦楽」ですか...よ、読んでみたい。
竹本健治はあとゲームの名前を冠したシリーズだけですね。
最近のはちょっと堪忍してください、と思います。

このビル・エヴァンスのジャケットをレコード屋で初めて見たときは
身も心も震えましたね。

by alglider | 2009-12-10 20:55 | 日々是口実 | Comments(6)