何もない + 短歌(推敲しました)
2010年 02月 08日
22:39
水 の な い 井 戸 へ と 下 ろ す 釣 る 瓶 も て 旨 さ う に 飲 む い つ は り つ 飲 む
みずのないいどへとおろすつるべもてうまそうにのむいつわりつのむ
職場の
休憩室から小学校の運動場が見える。長袖長ズボン半袖半パン、それぞれだが、児童は元気に走り回っている。縄跳び、一輪車、バレーボール、ドッヂボール、単に追いかけ合っている子供たち。私もかつてあのように身軽であったか。走り回っていたか。そのときそのときに悲しみ憎しみ無為の喜びを持ち、軽業師のように身をひるがえしていたか。
たぶん、子供というのはだいたいにおいて、そういうことをするものだから、していたのだろう。しかし、何も覚えてはいない。無邪気であったことは覚えていない。ただ、校庭の隅から眺めていた邪気ある心のことは覚えている。そういうものだな。
うちの娘さんはどうだったのだろう? 想像だにできなくて、急に帳が下りたように悲しくなることがある。そんな時には心を掘ってみるが、なにも出てこない。涸れている? で、やっぱり、もっと悲しくなるのだった。
身代わりになれぬことだけ悲しみは、そんなこんな何も知らない夜だ。
只今のながらCD
THE PEARL / BRIAN ENO, HAROLD BUDD with DANIEL LANOIS
by alglider
| 2010-02-08 21:26
| 短歌