分ける作業 + 短歌一首 + 過去の短歌二首

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17:46



臓 物 と い ふ 言 葉 お も た き 路 地 裏 に あ て ど う し な ひ 夕 暮 れ に ほ ふ


ぞうもつということばおもたきろじうらにあてどうしないゆうぐれにおう



 寝過ぎたかな、


 と思うほど、起きると体がだるかったのだが、どうもそういうことじゃなく、気持ちの方からきているみたいで、腹のあたりの「臓物」が重い。気持ちの不安定は内臓に(から?)くる。そして胃の底の方から「やるせなさ」が這い上がってくる。こういうときは安定剤と一緒に胃薬も飲む。


 この世からいなくなること。その漠とした思いがずっと私をとらえている。「死」ではなく、この世から消えてしまうこと。たとえば、母はホスピスで死に向かう十分な時間があった。父は独り暮らしの家で倒れているところを配達に来た酒屋さんに偶然発見され、救急救命センターに。そして何日かして逝った。それに対してさまざまな思いがある。私が消えれば、この思いも消える。言葉に残しておかなければ消える。母や父のことは「たとえ=部分」であって、自分の思いは言葉で残さなければ残らず、他人の中では「私の思い」ではなく「私の思い出」だけが残る。あの世に持っていくものと、残すものを分ける作業が言葉を紡ぐということのようだ。


昔の歌を再掲

夕 照 を 孕 み し 母 の ホ ス ピ ス で 金 の 林 檎 を わ れ は 剥 き を り
ゆうしょうをはらみしははのほすぴすできんのりんごをわれはむきおり


孤 独 死 の 司 法 解 剖 免 れ て 酢 と な り 果 て し 父 の 酒 捨 つ
こどくしのしほうかいぼうまぬがれてすとなりはてしちちのさけすつ



 そんなこんな。




只今のながらCD

COMING OF AGE / CAMEL
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Commented by jupe2 at 2010-09-19 20:22
コワイ(涙)

普段は怖くないのに、急に怖くなった。


サブコ
Commented by izumi at 2010-09-19 23:31 x
パンタタさんの紡ぐ言葉は、なにかの使命をおっているのでしょうか。
いつも、讀ませていただく度、心の波打ち際がざぶざぶします。

私の父は、死ぬとき私に言葉をなにも残してくれはしなかったけれど、父の端正な顔の鼻の穴に詰められた脱脂綿を見たときに
なんだか死が憎かったです。
なんか、的があってなくてごめんなさい。
Commented by パンタタ at 2010-09-20 00:48 x
サブコさんへ

コワイ(涙)?????
言葉での仕分けが?

Commented by パンタタ at 2010-09-20 00:51 x
izumi さんへ

>使命
たぶん何もありません。
なぜ鼻の穴に脱脂綿を詰める必要があるのでしょうねえ。
あれって「死」を確定させます。
父や母が人が標本になってゆく。

Commented by jupe2 at 2010-09-20 15:02
季節のせいもあってか、巨木を見て実がなっているのを見て、葉っぱがヒラヒラ落ちてくるのを見てただ繰り返している事を、強烈に感じた日だったのです。

自分はいったい、自分は自分は自分は・・・・で生きていて(いまだ何者か分かっていないんですけどw)、でも、息子を見ていたり、もっと小さな姪っ子や甥っ子を見ていると、「枯れてなんぼ」だと言い聞かせていたのに、パンタタさんの日記は、ぼんやりと思っていたその感覚をくっきりさせて、消えるのが怖くなったのです。



でも、今日は、大丈夫です。
(昼だし)
Commented by パンタタ at 2010-09-20 18:08 x
サブコさんへ

ああ、そういう日だったのですか。
私自身、消えること自体は怖くはないのですが、
ずぼらだから準備ができないの。それがつらいですね。

Commented by jupe2 at 2010-09-20 20:18

ああ・・・
夫のお婆ちゃまが亡くなった時に、着物の袖に紙が入っていて、誰に分けるか名前が付いていて、感心した。
Commented by パンタタ at 2010-09-20 23:07 x
サブコさんへ

しっかりしたお婆ちゃまですね。
私は身辺整理もできないだろうなあ...

by alglider | 2010-09-19 15:48 | 短歌 | Comments(8)

さびしさを糸でかがればかぎ裂きのかたちしてをり棘のあるらし


by alglider
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