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あるのすさび

さびしさを糸でかがればかぎ裂きのかたちしてをり棘のあるらし


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死んだ男の残したものは

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 同じアルコール専門病院へ入院していた仲間が亡くなったと電話が入った。3月2日午後10時57分、享年47歳。肝硬変、腹水で足から腹、体全体が膨らんでいたという。彼も断酒ができなかったのだ。飲んでは止め、止めては飲んで。ごまかし続けてたのだ。死者に鞭を打つな、というが、何回となく相談にのってきたのだった。その時その時のいいかげんな相槌でごまかしやがって。その電話で別のアルコール依存症者(彼も入院時期が一緒だった)が去年の9月、部屋で孤独死していたことを知らされる。彼は40歳に届いていないかもしれない。入退院の繰り返しで、もう病院に拒否されるところまでいっていた。「アル中だから酒を飲む」も正しいが「アル中だから酒を飲まない」も正しい。孤独死したヤツも正しく飲み続けていたのだろう。相反する正しさの中で「俺は大丈夫」と言っているヤツから死んでいく。いつもいつまでも大丈夫などないのだ。正しく絶望した者が生き残る。そして生き残りが唯一の私からの供養である。死んだ男の残したものは、言いようのない情けなさと無力感と怒りだった。合掌ぐらいはしてやる。
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Commented by ツトム at 2011-03-04 01:38 x
そんなこんな、とは仰れないパンタタさんの遣る瀬無いお気持ちを前にして、何も言える言葉がありません。生きられる限り生きることが正しい、ということひとつを自戒する機会とさせていただきます。
Commented by きらく at 2011-03-04 06:59 x
パンタタさんは長生きしてくださいね。
いなくなっちゃうと、寂しいし。
Commented by さよちん at 2011-03-04 09:29 x
この記事を読みながら既に世に居ない叔父を思い出しました。
彼もまたアル中と言うべきほどのお酒好き。
体調を壊して医者から「死ぬのと酒を断つのはどっちがいいか」って聞かれて「死ぬ方がいい」と応えた話は今でも親戚筋では笑い話のように話題になります。
私の小さいころからいつもいつも酔っ払ってて彼の姉にあたる私の母からいつも怒られていたのを覚えています。本気で「命よりも酒が大事」と思ってたのかどうか分りませんが多分「命」の方が大事と応えてたら即刻酒を取り上げられる恐怖が強かったのかも知れないと思ってる。私はアルコール類は何一つ飲めないので飲まずに居られない人の気持ちが分んない。中毒と呼んでもいいのなら私にとってのそれはコーヒーかも。
Commented by パンタタ at 2011-03-04 23:06 x
ツトムさん

まあ、生きていきましょう。
それしか書くことないや。

Commented by パンタタ at 2011-03-04 23:07 x
きらくさんへ

うれしい言葉ありがとう。
行けるところまで行くさ。



Commented by パンタタ at 2011-03-04 23:10 x
さよちんさんへ

アル中は必ず「命より酒が大切」と言います。
言っていないアル中はいない、と断言していいです。
私も言ってた、とお咲きさんから聞きました、笑
アル中のハードルは世間で思ってるより低いですよ。

by alglider | 2011-03-03 22:31 | アルコールと自由 | Comments(6)