ブログトップ

あるのすさび

さびしさを糸でかがればかぎ裂きのかたちしてをり棘のあるらし


by alglider
プロフィールを見る
画像一覧

光の帝国

f0100480_21562124.jpg


22:45


 昼まで


 寝ていた。起きるとお腹がすいていて、焼き飯を食べる。風邪をひいていた今週は食欲がなく、昼にコンビニで買ったサンドウィッチを食べ、夜はレトルトのホタテの味噌汁一杯だけだった。焼き飯を食べていると、お咲きさんが起きてきて「風邪が治ったみたいね」と言う。そのときに、自分の食欲が落ちていたことに気づき、サンドウィッチと味噌汁の日々だったことに思い至った。


 陽が赤くなりかけたころ散歩にでる。森を抜けるとき、空はまだ明るく地の方が暗い。夜は底からやってくる。外灯が灯り始め、さらに明暗の対比が増す。ルネ・マグリットの一つの到達点である絵画「光の帝国」(写真)へ向かって歩いているような錯覚を覚える。


 森を抜け、町を抜け、公園に入ると、黄昏の空に蝙蝠が飛び始めている。散歩を終えた人たちとすれ違う。公園の中央噴水まで歩き座っていると、遠く離れたベンチに私のように座っている人影がひとつ。ずっと眺めていたが微動だにしない。その向こうに高速道路が通っていてオレンジの光が並んでいる。闇と光が交錯して逢魔ヶ刻となり、特異点のようにすべての力学が通じなくなる。「光の帝国」は私の内部の絵画の一つだ。


 帰り道、喫茶店に立ち寄り、月光へ送る歌稿を選ぶ。




 そんなこんな。




只今のながらCD

AN EVENING OF YES MUSIC PLUS… / ANDERSON, BRUFORD, WAKEMAN, HOWE
[PR]
Commented by 稲泉 at 2011-05-14 23:37 x
1954年の『光の帝国』ですか?23枚くらいシリーズとしてありましたよね、たしか。

シュレリアリスム展にはありませんでしたが出口のレプリカにあった気が。

光と影の共存や時間の流れを絵に閉じ込めたようなところに魅力を感じます。

昼の空とマグリットの時間の流れの象徴の雲、夜の家が同じ空間に存在する不思議さは人の内面にあいつうじるものがあるように思いました。

わたしの短歌もシュレリアリスム的なカラーをもっているような、、、。

あと、恩田陸の小説常野物語のひとつ『光の帝国』も好きです。
Commented by パンタタ at 2011-05-15 00:26 x
稲泉さんへ

マグリットは死ぬまでこのテーマを追い続けましたが、
この1954年の「光の帝国」が最も有名ですね。
もっと広角で描いたものもありますが、
闇の濃密、静謐といったものは'54年のこれが秀でていると思います。
私は大阪であった「ベルギー絵画展」で実物を見ました。
会場の一番最後に展示してあって、
いかにもこれで語り尽くされただろう、というディスプレイの配慮でした。
マグリットのこういった単純なアイデア的要素は、
シュルレアリズムから切り離して、
マグリットの資質として再考されるべきかもしれません。

by alglider | 2011-05-14 21:57 | 日々是口実 | Comments(2)