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あるのすさび

さびしさを糸でかがればかぎ裂きのかたちしてをり棘のあるらし


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ご冥福を (水無月朔日)

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22:02


詩人の


 清水昶さんが5月30日に亡くなられていたことを知った。
 心筋梗塞だったという。70 歳。若いころによく読んだ。



神様のいない決着        清水昶


あきらめてはいけない
せっかく
火縄銃のように
くすぶりつづけてきたのだから
片目をつぶりさえすれば
狙いすました
肩の上の世界は 絞りこまれ
一点の傷から
ひろがるものなのだから

日が落ちても
片目だけの空洞に
ひとつまみの火を
残しておけ
来たるべき
だあれもいない草原の
夢をみるために

きみを許してはいけないのだ
暗い鏡の中で
火柱のように泣きながら
触れることが
できなかったとしても
麻薬のような
夜をめぐっても
希望と
撃鉄を
倒せなかったとしても
だれもが
遠い若さに踏みとどまり
けんめいに
斧のように傾いている
遠近法の
部分がある

たとえば淋しさに
身ぶるいして ゆうやけぐるみ
落ちてきた空のシーツにくるまって
死体のように
転がっている日が
あったとしても
あきらめてはいけない
神様のいない決着は
だれもが
暗喩で
きっぱり
つけるものなのだから




ご冥福をお祈りします。






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Commented by izumi at 2011-06-01 22:24 x
すてきな詩ですねぇ。
失礼な言い方ですが、詩人は死んでしまっても
詩が生き続けるから、すごいなぁ、いいなぁ、と思う。

知りませんでした。調べて読んで見ます。
この頃、知らないことはいいことだ、だってこれから
知ることができるもん、と開き直っています(笑)
Commented by パンタタ at 2011-06-02 20:57 x
izumi さんへ

神様のいない決着は/だれもが/暗喩で/きっぱり/つけるものなのだから
ここはいいよねえ。
最近は直喩の練習をしてるきらいがあるのですが、
やっぱり暗喩だよなあ...

by alglider | 2011-06-01 21:31 | 日々是口実 | Comments(2)