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卯月朔日   木蓮歌六首(再掲)



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木 蓮 の 祈 り を 思 ふ 昼 さ が り 花 で あ る た め 花 で ゐ る こ と


後 も ど り か な は ぬ 夢 の 醒 め て の ち 瘡 蓋 の ご と 紫 木 蓮 落 つ


ほ つ ほ つ と 闇 に と も れ る 木 蓮 の 白 を 閉 じ こ め 白 く あ り け り


も く れ ん の 浄 土 か な は ず さ く ら さ く う た げ の 園 に 悪 意 抱 く 午 後


合 掌 し 芽 吹 く 木 蓮 三 月 の 性 善 説 を 捨 て が た く を り


木 蓮 は 陽 へ と 向 か は ず 天 上 へ め い め い 白 く 瞑 想 し を り




 辰巳泰子さんに「木蓮はパンタタさんの花」と言葉をいただいた。
そう言えば何首かあったなあ、と調べてみた。
古くは郵便局の夜勤(7年は前だ)をしていたころの歌で、
局までの街路樹が木蓮だったのだ。
外灯に浮かび上がる木蓮は幻想的で仕事に向かう自分を少し惨めに思ったこともある。
まだまだ、アルコールの後遺症があった。


 駅前の家に首が痛くなるほど見上げなければならない
紫木蓮と白木蓮を庭に植えている家がある。
天に向かっては散り、イカロスの翼のような花びらが落ちてゆく。

 特に

合 掌 し 芽 吹 く 木 蓮 三 月 の 性 善 説 を 捨 て が た く を り


 は、2009年の歌だが、自分で読み返し震災と重なってくる。政治、東電、原子力村、原発、被爆....思うことは絡み合って暗澹たる気持ちになるが、私には「すてがたきもの」がある、と思え、この歌を詠んでいてよかったと思っている。短歌はありがたい。


 今年の木蓮の歌を詠もう。螺旋階段を上るやうに。



 そんなこんな。



只今のながらCD

ONE OF A KIND / BRUFORD
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Commented by はしる at 2013-04-02 06:27 x
合 掌 し 芽 吹 く 木 蓮 三 月 の 性 善 説 を 捨 て が た く を り

のお歌がやはり好きです。
木蓮のマットな色に揺るぎなさを感じます。
Commented by at 2013-04-02 07:16 x
木蓮の独特の存在感はそれゆえに歌にするのが、わたしには難しい気がする。
このところ、何にしろ歌ができていません。
パンタタさんの今年の木蓮、楽しみに。
Commented by 雪太郎 at 2013-04-02 08:21 x
後 も ど り か な は ぬ 夢 の 醒 め て の ち 瘡 蓋 の ご と 紫 木 蓮 落 つ

これが好きです。
木蓮の花の特徴といえば、咲いているときの空へ向かう様と、そしてやはり落ちるとき。
散る、じゃないですよね、落ちますね。バスッと。
厚みのある花びらが落ちているのをみると、まだそこに命を感じます。
Commented by パンタタ at 2013-04-02 20:51 x
はしるさん、

ありがとうございます。自分でも転機になった歌の一つだと思っています。

Commented by パンタタ at 2013-04-02 20:54 x
文さんへ

文さんの花や自然への寄りそい方は、堅実っていうか、
大きな景を含みながら真正面ですから、それなりに難しくないと思いますけど...
今年、あんまり木蓮を見ていないのです。
もう散り始めてるし、出来るかなあ....

Commented by パンタタ at 2013-04-02 20:58 x
雪太郎さんへ

梔子にしても厚みのある花は“汚れる”というイメージが付きまとって、
それがすごく難しいような気がします。
清楚とか純白とか美しさだけでは、捉えきれませんよね。
なんだか、はあ....溜め息です。

Commented by むらしん at 2013-04-02 23:06 x
合 掌 し 芽 吹 く 木 蓮 三 月 の 性 善 説 を 捨 て が た く を り

選歌対象外なのはわかっておりますが、圧倒的にこれが選びたいです。
(他所のネタでごめんなさい)
Commented by パンタタ at 2013-04-02 23:13 x
むらしんさんへ

この歌、3年か4年前の瀬波君が出した「三月」という題詠で、
最優秀貰っちゃってます。
歌はお題の前に詠んでいたものですが。

他所ネタの回答でした。
by alglider | 2013-04-01 23:36 | 短歌 | Comments(8)

さびしさを糸でかがればかぎ裂きのかたちしてをり棘のあるらし


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