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あるのすさび

さびしさを糸でかがればかぎ裂きのかたちしてをり棘のあるらし


by alglider
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炎のストリッパー/イラスト編

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 今日は本当に気持ちよいぐらい頭の中がからっぽで、なんの言葉も浮かんでこない。何かがリセットし始めているようだ。enyaのケルティックサウンドがすり抜けてゆく。依存症になってから、読み返し始めた詩歌の中にいろいろな発見がある。私は自分で理屈っぽいのか、否か、分からなくなる。啓発書など凡庸な言葉の数々、羅列には寸分とも心は動かない。しかし、論ぜよ、と命じる声もある。また、詩歌の中にしか何も見い出すなと命じる声も聞く。昨日、読み返した、谷川俊太郎さんの詩を掲げて、今日は終わり......



未知

昨日までつづけてきたことを
今日もつづけ今日つづけていることを
明日もつづけるそのあたり前なことに
苦しみがないと言っては嘘になるが
歓びがないと言っても嘘になるだろう
冬のさなかに春の微風を感ずるのは
思い出であるとともにひとつの予感で
昇る朝陽と沈む夕陽のはざまに
ひとひらの雲が生まれまた消え失せるのを
何度見ても見飽きないのと同じように
私たちは退屈しながらも驚きつづける
もしも嫉妬という感情があるのなら
愛もまた存在することを認めればいい
足に慣れた階段を上り下りして
いくたびも扉をあけたてしごみを捨て
ときには朽ちかけた吊橋を渡って
私たちは未知の時間へと足を踏みこむ
どんな夢も予言できぬ新しい痛みを負いつつ

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by alglider | 2006-05-16 19:08 | 日々是口実 | Comments(0)