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岡林信康さんとの思い出

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 先日会った、炎のストリッパー、ヨーコさんの全国津々浦々の劇場を回っている話を聞いて、若い人は知らないだろうけれど、フォークの神様と呼ばれた、岡林信康さんのツアーマネージャーを何回か手伝ったときのことを思い出した。もう20年近く前のことだけれども。そのころの岡林さんは『ベア・ナックル・レビュー』というギター一本のツアーをやっていた。興業主がいるツアーではなく、村の青年団や商店会などが自主的に企画したものに応えるというもので、おらが村でわてらの町で歌ってくれ、と呼ばれていくのである。ツアーの名前のごとく、ギター一本と歌で勝負、裸の拳のツアーなのだった。

 地方に呼ばれて行くことがほとんどで、行ったところでお国自慢のもてなしがある。岡林さんは、声、喉の調子を整えなければならないから、コンサートの前日はお酒を飲まない。終了後の打ち上げには、主催者の労をねぎらう意味もあるし、その場の感動を共有するために出席する。しかし、新潟に行ったときの打ち上げは調子が悪くって、岡林さんが「僕はちょっと失礼します。代わりにマネージャー差し出しますわ」てなことを言ったものだから、私は村の青年団に拉致されて事務所のようなところに連れていかれた。新潟といえば酒どころ。旨い日本酒が一升瓶でごろごろと並んで私をもてなす。飲めや飲めやで、前後不覚意識を失うまで飲まされたor飲みました。そのときのお酒が〆張鶴で、その後、私のお気に入りとなった。

 岐阜にいったときは、う〜んとうなってしまった出来事があった。岡林さんは、ステージのちょい前に、軽くうどんを食べることが多かった。だいたい、ステージ前ということに気を遣ってか、関西に気を遣ってか、やっぱり軽くきつねうどんあたりが出てくる。しかし、その岐阜では、岐阜って名古屋文化圏なのね、悪気はぜんぜんないのだろうけれど、味噌煮込みの餅入りのちゃんぽん風うどんが出てきた。これは、いくらなんでも歌う前に食べるものではない。ステージ前に完全に満腹なってどうするの......たはぅ。岡林さんも、口をつけた程度だったと思う。そのときの私は名古屋文化の無神経さを呪った、いついかなるときでもお国自慢かっ..... お国自慢は打ち上げのときにしてもらいたいものだ、と。

 で、私はそのころ髪を長く伸ばしていて、よく岡林さん本人と間違われた。自分でも似ているところがあるなぁ、と思うから仕方がない。ギターをセッティッングしにステージ(村の体育館の舞台といったほうが正確か)に出ると拍手が起こる。頼まれてお茶などを買いに外に出ると、開演を待っている人から声援を受ける。だいたい、開演直前に本人が自販機に向かって小走りするか? おかしいでしょ、ったく。全然関係ない食堂でも色紙を持ってこられて、まったく知らぬ人でもないので、困ったことがあった。

 んで、岡林さんが、どこかの店に飲みに行ったとき[あんたにはツケがある]と言われたそうで、それが回ってきて私がツケをしていたことになったことがある。私がカタリを.....たはぅ。岡林さん、もう一回言っときますけど、私は無実ですよー!

 お国自慢の楽しみといえば、お酒であったが、それも叶わぬ。岡林さんの好きだった、広島の純米酒[加茂泉]も飲めぬ。代わりに、もみじまんじゅうに舌鼓である、ポンッ!

 これから一日中外出で、それから徹夜バイトに入るので、ブログ更新はここまで。上の写真はマンションの裏山竹林の木漏れ陽でござんすすすす........

只今のながらCD
Dream Of Life/PATTI SMITH

今日の一文
ふたひらのわが<土踏まず>土をふまず風のみ踏みてありたかりしを    齋藤 史
by alglider | 2006-05-24 09:43 | 日々是口実

さびしさを糸でかがればかぎ裂きのかたちしてをり棘のあるらし


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