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あるのすさび

さびしさを糸でかがればかぎ裂きのかたちしてをり棘のあるらし


by alglider
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娘さんが結婚します  一首

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23:16



ま だ き み は 過 去 を か ざ ら ず 思 ひ 出 に 蝕 ま れ る こ と な く 野 に は 花



まだきみはかこをかざらずおもいでにむしばまれることなくのにははな




 娘さんが


 結婚することになった。生まれた当時はそれほど世間で騒いでいなかったハロウィンの10月31日生まれで、今月末に31歳になる。彼とは女性装(女装ではなく女性装と言っておられる)で本業より名が知れてしまった東大教授の安富歩先生との集まりが縁らしい。お咲きさんは以前から聞いていたらしいのだが、父親は置いてけぼりを食らうのが相場だし、第一、娘さんと私は3年ほど冷戦状態である。一方的な敗け戦ではあるが、笑。で、先日、彼と会うことになった。「会っておかなければいけないでしょう」と言いだしたのは彼の方で世間的な常識のある人である。ふふふ。


 で、年齢がぐっと年上で娘より一回り以上の44歳。会うと髪も薄くなっている。「へーっ」とちょっと思ってしまった。へーっの次は、えーっと驚く某国立大学を出て、某有名企業に就職していたのだけど、ゲームのストーリーを作るため独立したという話。だけど、今はストーリーの要るゲームが望まれていないとかで仕事はない。頼まれる執筆と家がアパート経営をしているのでそれを手伝っているらしくって、よく分からないけれど何とか暮らせているみたいだ。ま、私のせいでぶらぶらしている男にお咲きさんはとても免疫がある。それで「ラノベとか書きたい」言っている彼と私が気が合うのでは、とお咲きさんは笑っている。彼のホームページを見るとコミケなんかに参加していて、今風の女子を描くのがとてもうまくって驚いた。44歳といってもテレビゲームのはしりを生きてきた世代である。書評というか読んだ本の紹介も半端なく大量である。感心してしまった。


 ハッキリ言ってしまえば今は仕事がないというか、望みの仕事ができていない彼であるが、まったく心配するに及ばず、という印象だったなあ。有意義な人生の休憩時間っていう感じ。しばらくは娘さんが今の翻訳業を続けてもいいし、彼には何者かになるという楽しみを覚えた。とにかく話に澱みのない人で、論理が先の方まで見えているから冗談も効果的である。こういう人を選んだのは、わが子ながらエライなあとこれまた感心した。決して男前とは言えないとこも、ええとこ突いてますわ。顔合わせ終了で、別れるときに彼と娘さんが、今から家庭用品を買いに行く相談をしている。それを見ると一番楽しい時期だよなあ、と昔が思いだされる。それに、彼氏と嬉しそうにしているわが子を初めて見た。いいものだなあ。うらやましい、笑。そうそう、結婚式も披露宴もしないらしい。婚姻届けをいつ出すのかも決まっていない。決まっていないが、家から娘さんの荷物が少しずつ減っている。今年中には引っ越すみたい、とはお咲きさん談。


 きみが歌うクロッカスの歌も新しき家具の一つに数えむとする     寺山修司




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 別れてからお咲きさんは整体か何かへ。私は神戸へ出西窯のコーヒーカップとオニツカタイガーの靴を買いに行ったが、残念なことに両方とも望んでいたアイテムがなかった。しかし、フライング・タイガーを見つけて、東京の短歌友達が持っていたスケッチブックを手に入れることができた。万歳。




 そんなこんな。




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只今のながらCD

福音 / 羅針盤
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Commented by kanrinin-yuko at 2015-10-20 09:26
パンタタさん

いい秋の日になりましたね。
お会いしたこともない娘さんとお相手の方が、超リアルに私の中に出てきたのは、
パンタタさんの文章力のなせる業です。

生きていくっておもしろいことの連続なのだろうな。
短歌をやってるせいか、遠い日に置いてきぼりにしてきたちっちゃな石ころみたいなものをときどき拾いに戻ってしまう、そんな55歳の秋にいます。

テツと歩きながら、シュンと話しながら、それでもやっぱりひとりなんだろうなぁとも思います。家族がいてよかったなぁ、とも。支離滅裂ですが、私はこの秋先からまた少し呼吸がしやすくなりました。

おめでとうございます。
長々とすみません。
Commented by alglider at 2015-10-20 21:54
ユウコさんへ

ありがとうございます。
遠い日に置いてきたものを拾いに帰り、
そして未来に放り投げるために歌を書く。
繰り返し繰り返し、同じものを拾いに行くこともあって、
三十一文字は永久運動のようですね。
一人であることの嬉しさと寂しさと、
両手で抱えていきましょう。
お祝いの言葉、ありがとね。

パンタタ☮
Commented by 森 水晶 at 2015-10-21 04:39 x
おめでとうございます
末永くお幸せに!
Commented by alglider at 2015-10-21 07:24
森 水晶さんへ

どうもわざわざコメントありがとうございます。
二人で何とかやってくれたら、
私は私のことに現を抜かしていけるかな、と。

パンタタ☮

Commented by ひたしんちゃん at 2015-10-25 15:21 x
遅ればせながら、おめでとうございます。
娘の結婚に対する父親の気持ちは世情いろいろ忖度されますが、このブログを拝見する限り、パンタタさんは一味違う感じがしました。滂沱たる涙を流す、というのとは程遠い感じですね。ほのぼのしました。素敵です。
私の二人の娘は未だ大学生で(結婚が遅かったので)、彼女らが結婚するというイメージが湧きません。
娘さんご夫婦もパンタタさんご夫婦も、お幸せに!
Commented by alglider at 2015-10-25 21:49
ひたしんちゃんさんへ

ありがとうございます。
滂沱の涙からは遠い位置にいるような気がします。
泣く人は泣けばいいけど、ま、私のところは儀式をしないから、
過剰な昂揚感はないのかもしれません。
それとお決まりの物語は嫌だな、というひねくれ者ですから。
そうそう、婿殿はひたしんちゃんさんの大学の後輩ですわ。
頭よろしいなあ.....見通している話のスパンが長い、
へぇーと感心しました。

娘さん、大学生でも時の経つのは早いですよ。
コメントありがとうございます。

by alglider | 2015-10-19 22:05 | 短歌 | Comments(6)