埃の栽培
2006年 07月 02日
昨日からの続き........
一日のゴミの回収は、風呂に入って4時ごろに終了。後は早い黄昏飲み会である。夏の4時といえば、まだまだ、昼、酔い心地は最高である。若い職員さんとはあまり話が合わず、何故か、年輩のおじさん達によくしてもらった。そのおじさん達は、風呂上がり、髪にリキッドを塗り付け、オールバックにバシッと決め、クラウンに乗り込む。私は延々1時間以上かけて自転車で通っていたのだが、ときどき、愛車のクラウンにも便乗させてもらった。車内にリキッドの匂いぷんぷん。カーステ(当時はカセットの時代です)で、八代亜紀をがんがんかけながら居酒屋に向かうのだった。
そのころ、次の仕事を何も考えていなかったので、このまま市の清掃職員になれないものかしら、と、ちらとおじさん達に漏らしたことがある。
[おまえ、大学でてるんやろ。止めとき。学歴捨てんと採用されへんでぇ。みんな中卒や。そんなことしたら親怒るでぇ]
そうなのか、とそのとき思った。
[市の職員いうてもな、清掃やと近所に人に隠しとかなあかんぞ。カッコ悪いというか、おまえんとこ、子どもまだ小さいんやろ、学校で父ちゃんゴミ屋やゆうて虐められんど。やめとけやめとけ。わしら自分の家の近所は絶対回収に回らへん、顔刺すからな。せやから、バイトの連中ともあんまり仲ようはせんねんけどな、おまえはよう酒飲むからとくべっちゃ]
というわけで、一ヶ月間、4時以降は2時間ほど毎日酒盛りとなった。髪をバシッと決めて、クラウンで乗りつけるのだから、さぞかしと思っていたら、豈図らんや、夏の日を避ける簾がかかっている[オープンエア]の店で、いつもながらにいつものおばちゃんが相手をしてくれるのだった。そんな店が何軒かあって、ぐるぐる日ごとに回っていくのである。クラウンは酒の回収車である。私は子どもを6時半までには保育所に迎えにいかねばならなかったから、中座して、自転車で公害訴訟で有名になった42号線を越えて家路につく。今から思えば危険な自転車の飲酒運転であった。が、全体的には今から思っても、アル中になっても、楽しい好き思い出である。
只今のながらCD
THE SINGLES/PRETENDERS
今日の一文
春浅き大堰の水に漕ぎ出だし三人称で未来を語る 栗木京子
by alglider
| 2006-07-02 18:10
| 日々是口実