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二千十六年尽   二首

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19:49



あ ら か じ め 奪 わ れ し も の い と お し く ま た 来 ん 春 へ 冬 の 野 を 焼 く



あらかじめうばわれしものいとおしくまたこんはるへふゆののをやく



 毎年、

 書いているけれど一年って早いものだなあ。でも特に今年は早かった。今年の記憶の始まりは何といっても二月で、十九日に休みを取って東京まで黒田和美賞の授賞式に出かけたこと。「月光の会」の中の小さな賞だけど、黒田さんの賞は月光の年間MVPみたいなもので、どこの雑誌にも応募せずにひたすら結社誌のために歌を詠んだ結果である。素直に嬉しかったのである。常々、黒田和美賞のことを口にしていたので、初冬(去年)、お咲きさんに「福島さんから電話があって」と言うと「あの賞ね」とすぐ分かってくれた。それも身内の話をすると嬉しいことの一つだった。月光の会の人たち、関東、関西の歌友達たちの祝福も忘れ難い。


 それから、歌集のための一年であったのだけれど、体調が優れなかったりして、本格的に取り掛かったのは八月末。十年間で二千首ほど(少ない方だと思う)あって、それらすべてに目を通すのは、心の旅路の振り返りでしたなあ。もう、へったくそな歌があるんだけど、それでその時の精神状態が分かるんです。まあ、そういう歌も愛おしいけれど、結局は独りよがりなので捨てて、選んでいって何とか五百ぐらいに絞り、また選んで、また捨てたやつを入れての繰り返し。結局、二百六十首を選んだ。



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 クリスマスを過ぎて福島泰樹主宰にプリントアウトしたものを郵送し、テキストメールもし、編集担当にもデータを送り終え、かなり肩の荷を下ろした年末。肩こりがひどいけれど。来年は福島さんからの指示を待ち、歌集名も決め、表紙の絵も決め、そして校正の仕事に入ることになる。来年三月中には歌集を出す目処がついた2016年大晦日である。sutankaをずっと更新し忘れている。来年に持ち越し。みなさんよいお年を。



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    沈 黙 は 異 議 な し 異 議 あ り 遣 る 瀬 な し 寒 水 仙 に 風 の 渡 り ぬ





 そんなこんな。





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只今のながらMUSIC
SOLO PIANO / GONZALES

これを聴いているとお咲きさんが「ジャズ喫茶のようにCDジャケットをどこかに飾っておいてほしい」と言う。パソコンに取り込んでいるので、CDは棚に埋もれてどこにあるやら。それにジャケットは結構手抜きのゴンザレス氏である。
by alglider | 2016-12-31 18:16 | 短歌

さびしさを糸でかがればかぎ裂きのかたちしてをり棘のあるらし


by alglider
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