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あるのすさび

さびしさを糸でかがればかぎ裂きのかたちしてをり棘のあるらし


by alglider
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もう八月だなあ…     一首

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20:37


気 が つ け ば ひ か り は 満 ち て こ ん な に も さ よ な ら ば か り し て き た 夏 に



きがつけばひかりはみちてこんなにもさよならばかりしてきたなつに



 今日は

 大阪府立大学I-siteなんばへ虫武一俊歌集『羽虫群』批評会へ行ってきた。昼に出かけることはあまりないので、ややばて気味。偶然、塔のユウコさんが来ていて「パンタタさ~ん」と声を掛けてくれる。なんとパネラーの大森静佳さんのお母さんと一緒で、お母さんがFBで私の参加していることを知ってユウコさんに伝えてくれたらしい(と、聞こえたのだけど.....)。びっくり!

 FBといえば大学の後輩のれい子ちゃんが歌集『汀の時』の感想をアップしてくれた。許可を得ているので下に転載する。



 学生時代の文芸部の先輩の窪田政男さんが短歌集を出されました。『汀の時』(月光の会刊)先輩といっても私が一回生の時はすでに卒業されていて、どこでお目にかけたかというと大学生協書籍部で。この学内にある本屋で出会った書物の幾つかは私の読書人生の礎となったものが多く、窪田先輩はそこにお勤めでした。美学科の先輩でもあり、文芸部の同人誌『関学文藝』にはいつも美しい詩を発表されてました。

 美しいというのは美学の先輩でもあったので、つい美しいと表現してしまうのですが、言葉が結晶化するような感じです。質量があるというのか、物質のように、、というのは私の中のささやかな遠い記憶なのですが、今年の1月21日に、久しぶりに同窓会があり再会。なんとこの日は同じ誕生日の日。

 何十年ぶりの再会でしょうか。驚いたことに窪田先輩は一滴もお酒を召し上がりませんでした。これは驚愕です。私の頭の中には窪田先輩はいったい何処まで果てしなくお酒を飲んでいかれるのだろうかという震えるような遠い記憶がありました。詩人とはあのように飲むのかと。その窪田先輩が「アルコール依存、骨髄増殖性腫瘍と不治の病を二ついただく」と歌にも詠まれた日々を経て、10数年以上お酒を断たれてるとおっしゃるのです。これはもの凄いことが起きてるんだと一瞬感じました。

 そして、詩人から歌人へと転向された窪田さんの処女出版が、この『汀の時』。かつて窪田さんの詩のファンだった私にとればあまりにも待望の処女歌集です。「時は今」だったのでしょう。

 この歌集、とにかくとても美しい。モノトーンの装丁も、紙質も印字の色も字の風情も何もかも。触っただけで質量が届き、ページを開けるのに思わず部屋を片付けてからにしようと思ってしまう。窓を開けて空気を入れ替えてから開きたい。滲みや折りなどつけたくない。出来れば祭壇にでも置いておきたい。この本にこめられた、深い深い「本」への愛情は何処からくるのか?

 肝心の短歌の作品の中に入る前にえらい時間がかかってしまいます。こうなると襟を正さずには開けません。いったい自分がこれを読んでも良いのか?と思わず立ち止まりたくなります。。。(というのは自分の青春時代を振り返ってしまうからかもしれませんが)

 好きな歌はといわれたら、それもありすぎて選べません。以前FBで紹介させていただいたこの短歌もありました。

手 の ひ ら を 合 わ せ る ほ ど に う ち と け て 何 も わ た せ ぬ 手 の ひ ら で あ る



 タイトルの『汀の時』のみぎわという語が現れる、

ゆ く だ ろ う 人 恋 う こ と も 捨 つ る の も か な わ ぬ 夜 が 寄 せ る み ぎ わ へ



 表紙を飾る歌がこれ。この青。

シ ュ メ ー ル の 忘 れ 去 ら れ た 猫 の よ う 青 い 眼 の 咲 く 日 暮 れ が く る の




 裏表紙にあるこの歌もやはり美しい

ひ た す ら に 泣 き た く な る の 透 き と お る エ レ ベ ー タ ー で 昇 り ゆ く と き




 なにも考えずにページを開いて飛び込んできたのは

わ れ ら と は 言 い え ず わ れ は 風 を 待 つ 一 斉 の 桜 ひ と ひ ら の み 散 る


 正岡子規がなぜ俳句を詠みつづけたのかが少しわかりかけるように思いました。短歌は俳句よりは文字が多いので窪田先輩には子規よりは長生きをして頂きたいものです。

 この本は、癒やしやセラピーや、ワークやらケアやら療法やらの言葉はどうもバタ臭く、わたしはやはり限りなく文学の座標に近いところにいたい自分が在ることを思いださせてくれるのですが、もはや「癒やし」という言葉すら聞きたくないような時に手にとって何気なくページを開いてみていただきたいなぁと思います。どうぞかたわらに 。



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 れい子ちゃん(上の写真は彼女の手による)はNPO法人を立ち上げタッチケアの仕事といったら変だな、活動っていうのだろうか、詳しくは知らないのだけれど(というのは奥が深そうで勉強をしていない)、ま、そういうことをやっていて、抗がん剤治療中のお知り合いが何人かいて、私の歌集を「かたわらに」と何冊か手渡ししてくれたそうだ。さて、お役に立てばいいのだが、と思うし、そういう読み方自体が新鮮というか驚嘆であった。


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 今年初めて向日葵を見た。ずいぶん遅いような気がするけど、どうなんでしょう。近くの公営団地の花壇には毎年咲くのだけれど、今年は趣を変えたのかもしれない。小野や佐用の向日葵を見に行きたいなあ。



歌集『汀の時』は直メ、ツイッター、フェイスブック(ともに窪田政男で検索)、mixi、そしてこのブログ非公開のコメントで予約してくださると、送料はサービスしま~す。山椒さん謹製、活版印刷栞はもう少しあります。6首バリエーションがあります。葉ね文庫店主の池上きく子さんの笑顔とカバーを折る素敵な指先を見たい方は、葉ね文庫でどうぞ。栞も付きます。





 そんなこんな。





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只今のながらMUSIC

ALONE TOGETHER / QUIDAM







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Commented by kangaroomom at 2017-07-31 05:48
パンタタさん。短い立ち話だったけど、お会いできてうれしかったです。大森さんに「ユウコさんのFBのお友だちの歌人さんが来てるよ」、と言われるまで気づかなかった。またどこかで、今度はゆっくりお話したいです。「汀の時」を読む会とか。したいな。
Commented by alglider at 2017-08-08 23:13
ユウコさんへ

返事が遅くなりました。大森さんにも歌集を一冊買っていただけました。ありがたいことです。読む会とか誰か音頭とってくれたらいいんですけどね。でももうしばらく時間が経って落ち着いてからでしょうね。

パンタタ

by alglider | 2017-07-30 20:39 | 短歌 | Comments(2)