遠い日

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 夜を燃やして
 
 そのむこうに
 
 重心をすりかえてゆくのだが
 
 保たれることのない不安のネジと歪みとが

 不透明にかさなり合っている

 過去の日々の壁に

 そのまま食わえこまれてしまう

 いつまでもおりている遮断機と

 その踏切りの前で

 通り過ぎた幻の電車に

 交尾することのなかった記憶の生いたちの群

 まだ器の表皮も

 ひからびきらず

 まして

 てらてらとひび割れてしまうには

 遠い日の落日は

 重く浮かんだままでいる

 遠い影と存在の隙間に

 炎天下の蟻が這い回り

 甘い蜜に

 酔いしれていたのは誰れだったか

 思うことも語ることも

 とどかない

 ただの日々のはず

 通り過ぎた子午線を

 凝視するには

 両足に

 まぶしすぎる夜

 そして

 夜は白昼夢に

 孕まれた

 遠い日の私生児





今日のながらCD

SPARKS/SPARKS
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by alglider | 2006-09-21 10:19 | 中中小説・詩 | Comments(0)

さびしさを糸でかがればかぎ裂きのかたちしてをり棘のあるらし


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