言葉は戻らず

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 むかしむかしその昔。詩を書き始めた高校生だったころ。中原中也さんがとっかかりで、ソネット形式でずっと、今から思えば感傷的な詩を書いていた。これは随分と真剣にそして量も書いた。それから、田村隆一さんの詩に出合い、現代詩のほうへ近付いて行くのだけれども、その時に、天才吉岡実さんの[私は言葉のメモをとらない。本当に必要な言葉ならそれは戻ってくる(と、こんな意味だったと思う。原文は今手元にない)]というのを読んで、いたく感動・同意して、私もメモをとらなくなった。[本当に必要な言葉は戻ってくる]。で、それは天才が成すことであって、遂に私には言葉は戻ってこなかった。何十何百万もの、その時その場所で必要だった言葉を失った。酔った上での名言・迷言・至言・痴言も多々あったはずである。まぁ、メモを残しておいたらどうだったか、よい作品が書けていたか、なんていうのは愚問であって、それはそのようにして、私は私でしかなかったのである。

 んで、メモを取らない言葉を残さない習慣だけが身についた。これは致命的に身についてしまっていて、改めようと思ってもなかなか改まらない。寝る時などは、枕元に帳面と鉛筆を置いて寝るのだが、10回の6回は書き留めるようになってきたが、残り4回は「必要な言葉は戻ってくる」と今でも思い込ませて寝てしまう時がある。そして当然戻ってはこない、戻ってきてもたいしたことがなかったりする。これは酔っている時に何かすごい発見をした気になって、醒めると何でもなかったのと似ている。中島らもさんも酔いから醒めると、机の上に[冷蔵庫]というメモがあったことがあって、どのようなすごいアイデアがその[冷蔵庫]のメモに秘められていたのか、思い出せなくて気になって仕方がなかったと言っていた。

 最近は歩いていても、電車の中でも、気になった言葉は携帯のメモ機能に記憶させている。それから帳面に写す。天才を恨むことは筋が違うが、凡才ゆえにそれを真似、逆に人一倍の二倍、三倍の言葉を残す努力を怠ったことは、非常に悔やまれるのである。今となっては、残す言葉も加齢により枯渇し始めている、とほほの

 

machiさん、そしてK子さんを知っている人への報告

 水は、自己管理し、朝、昼、晩、と飲んだ量をメモ(ここでもメモだっ)しているとのこと。ちょいと太って顔色もたいへんよろしい。外泊も許可がでて、二人目のお孫さんとも会えたらしい。娘さんもよくしてくれるとのこと。今月中旬か末には、多分退院。吉報のみここに報告。



sutanka 
更新しました。昨日のと合わせて、金木犀二首です。



今日のながらCD

Shepherd Moons/enya
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Commented by BEATNIKS at 2006-10-10 11:33 x
リコシェ....!だよね?私タンジェリンのレコードは全部処したのですが、一枚だけCDで欲しいのがこれです。こっちではなかなかないのです。
Commented by パンタタヌキチ at 2006-10-10 19:17 x
はい、リコシェです。タンジェリン処分する時、一声かけてくれれば馳せ参じましたのに.....日本に帰ってきた時に買いましょう!
Commented by machi at 2006-10-11 18:45 x
元気になって本当に嬉しい!
2番目の孫は見たいが見れない・・。
そう言っていた彼女が孫に会えたんや!
嬉しくて涙が流れる。
帰ってからもその方法なら何とかなりそうですね。
 教えていただいてどうもありがとうございました。
by alglider | 2006-10-10 10:22 | 日々是口実 | Comments(3)

さびしさを糸でかがればかぎ裂きのかたちしてをり棘のあるらし


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