[室内、ストランゲーデ30番地] + 短歌

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06:31

 寝付かれず。

 昨日、寝たり起きたり寝たり寝たり寝たりしていたものだから、眠れず日記を書き始めた。偏頭痛はちょいと治まっているが、頚椎のヘルニアが痛みだしている。その上辺りが偏頭痛の震源地だから、もう何がなんやらワテほんまによう言わんわ状態。

 写真は[オルセー美術館展]に行った時に買ってきた絵葉書。ヴィルヘルム・ハンマースホイ1864-1916(知らなかった画家だ。チベットの白馬の飼い主みたいな名前ですね)の[室内、ストランゲーデ30番地]1904年、という作品。気に入ってしまって購入。デンマークのコペンハーゲン生まれ。フェルメールやテル・ボルフから影響を受けたとある。室内画(そんなジャンルあるんかいな?)を多く残した。

 印象派からずっと見ていって、第5章[幻想の世界へ]のスペースに展示されている。その前にスティーグリッツ等の写真が展示されていて、画家達が現実をどういった技法で描くかといった問題から、内面を見つめ描くスタンスに移っていったことが分かる。何のことはない、開け放たれた扉から室内を望む絵なのだが、灰皿も花瓶もノートもなにも置かれていないテーブル。誰がどのような生活をしているのか窺うことができない。そのテーブルにもクロスの輝き(このクロスの光の反射加減がフェルメールなのかしら.....)にも、そしてテーブルが落とす絨毯の上の影にも、何か[不在]の不安が忍び寄っている。そして、その[不在]は、誰かが潜んでいるかも知れない(扉のすぐ内側に、奥に見えるさ更なる扉の向こう)という、謎の[存在]で更に強調されている。多色を用いない、色褪せたセピアの写真のような色調で、光がもたらすものが光に因って色褪せるといったことで、人が暮らす空間もまた人に因って褪せるものだとも言っているようだ。ただ、この絵が語っているのはそれだけではなくて、実は作家がこの[不在]の部屋に[居る住人 1 ]で、なおかつ[観察者 2 ]であり、またその両者を[鳥瞰する者 3 ]であるという内面の幾重にも重なっためんどっちぃ定まりを持たない[不在]の現実だ。[椅子 1 ]と[開け放たれた扉 2 ]と[テーブルクロスの光りの反射 3 ]にそんなことをパズルして遊んでいると、また偏頭痛がぶり返してきた。早よ寝なはれ/

 短歌に似ているなぁ、と思う。これだけの要素でそこまで語れる。こんな[室内、ストランゲーデ30番地]のような短歌はとても作れないけれど、作ってみたい願望っ! 要素という言葉を書いて思い出したけれど、この前から読んでいる『リーマン博士の大予想』が遅々として進まない。素数の分布の話なんだけれども、短歌の[素]となる五、七、五、七、七はどれをとっても素数で、足した三十一文字もまた素数だ。
短歌って美しい。




sutanka

[不在]といふ居場所見つけて陽の溜るストランゲーデ30番地





只今のながらCD

Shepherd Moons/ enya
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Commented by パンタタ at 2007-01-05 10:27 x
machiさんへ
お尋ね。そちらの初例会8日でしたっけ?
紅白饅頭でしたっけ?(笑)
Commented by office-nekonote at 2007-01-05 11:31
ヴィルヘルム・ハンマースホイはデンマークのフェルメールと呼ばれた人ですね。
フェルメールといえば『フェルメール全点踏破の旅』をこれから主婦の冬休みに読もうとしております。
別冊宝島EX『絵画の読み方』西岡文彦にフェルメールと写真機の関係が出ていました。
画家たちにとって写真機というのは使い勝手の良い道具でもライバルでもあったようです。
(昭和30年代のライフ社の美術全集を読んでみたいなあと思いました。)
本は子どもが冬期講習に持っていってしまったので(河合塾の課題図書)電車の中でぱらぱらとしか見ていないのですが、なるほど、こうやって切り込んでいくのかと思いました。
オルセーは2月革命から第1次世界大戦までなので、写真というのは大きな要素になりうると思います。
Commented by ヨーコ at 2007-01-05 12:51 x
印象派の殿堂といわれている[オルセー美術館]は、これ以前のコレクションを集めたかの[ルーブル美術館]と並び称されるほど、PARISでは有名な美術館ですよね。

パンタタさんが気に入ったという、第5章[幻想の世界へ]の中のヴィルヘルム・ハンマースホイの[室内、ストランゲーデ30番地]という作品に関するエッセイを読み乍ら写真を眺めますと、とても神秘的な想像力をかきたてられます。  
写真かと見間違うほどの、写真に映したような作品。
ひっそりと静まりかえった無機質なひとつの空間にしか過ぎない部屋。
其処に潜む(誰かが潜んでいるかも知れないという)謎の[存在]で、より際立つ[不在]の不安と空気感。  
それだけで物語性が紡ぎだされてくるようで、不思議だ。  

神秘の世界に誘(いざな)われるようで、此の地で[オルセー美術館展]が開催される折には是非、この作品にお目通り願いたいものだ。
Commented by at 2007-01-05 14:13 x
む、難しい(ーー;)
ひたすら、内側に沈潜していって、そいでもって、そいつが何時かはくるりっと内臓から、ぜ~んぶ、ひっくり返っちゃうんでしょ?
オルセー、行きたいなぁ・・・
Commented by machi at 2007-01-05 14:15 x
はい、その通りです。
紅白饅頭は先着25名??となっております。
是非ご参加ください。
K子さんにも来て欲しいな。
Commented by 訂正;ヨーコ at 2007-01-05 14:38 x
     >神秘の世界に誘(いざな)われるようで
幻想の世界に~~~~~~~ようで
Commented at 2007-01-05 15:56 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
by alglider | 2007-01-05 05:26 | 日々是口実 | Comments(7)

さびしさを糸でかがればかぎ裂きのかたちしてをり棘のあるらし


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