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あるのすさび

さびしさを糸でかがればかぎ裂きのかたちしてをり棘のあるらし


by alglider
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椅子に座つて/欠損

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空といふ空からお前が堕ちてくる

海といふ海にお前がひるがへる

そのときぼくは椅子をひとつ用意しやふ

もちろんお前と話しあふための椅子だ

その椅子は木でできてゐて ところどころ朽ちてゐる

もちろん言葉に詰まつたときのための欠損だ

未来から苔がむすやふに そちらへ向かひ

出逢つたときのことを話さふ

左手だつたか右手だつたか

お前は器用に石榴を割ひて

遠い血肉のことを話しはじめる

もふどふでもいひんだそんなこと

それはお前が在つたときの話だ

お前の不在を

血も肉も埋めることはできない

空といふ空からお前が堕ちてきて

海といふ海にお前がひるがへり

そのときぼくは椅子をひとつ用意して

そしてそこに座り

明日からの暦をつくりながら

ひとつ、どれ、泣けたら涙してみることにしやふ

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Commented by ヨーコ at 2007-05-08 15:20 x
この詩は、なんという哀しみに満ちた切ない言葉の羅列であることか・・・

じわじわと、波が押し寄せるように彼(彼女)の不在感を突きつけてくる。

嗚呼、このわたしさえも、はらはらと透明な涙がひとすじ流れ落ちるのをとめることはできない・・・
Commented by おぽんち at 2007-05-08 18:33 x
「空という空からお前が堕ちてくる」という言葉が印象的です。


Commented by ビリケン at 2007-05-08 21:07 x
お主の悲しみの深さは海よりも深い事と察します。
亡き友も浮かばれる事でしょう。
佳き友を持ったものですね。
Commented by 真柴みこと at 2007-05-09 01:34 x
「ひとつ、どれ、泣けたら涙してみることにしやふ」が心に沁みます。
椅子は二つではなくて、ひとつ。
向かい合って座る方はもう、いないのですね。





Commented by パンタタ at 2007-05-09 13:04 x
みなさんへ
ありがとね。おおきにね。
仕事は土曜までお休み。のんびりしますです。
by alglider | 2007-05-08 11:05 | 中中小説・詩 | Comments(5)