自選中短歌
2007年 07月 16日
16:12
雨である。
爽やかな初夏の空を思い描いていたので、そのギャップで気が重い一日。昼近くに起きだして、点けっぱなしのテレビに目を遣ると、長野・新潟で地震のニュースが流れていた。お咲きさんはテレビをラジオのように聞きながら、隣の部屋のベッドで横になっている。
「地震大きいらしいよ」と言う。
切断された道路、倒壊した民家などが映し出される。小諸に住んでいる、ブログ仲間のたまちゃんが気にかかる。大丈夫ですかぁ?
京極夏彦さんの「巷説百物語」と「続巷説百物語」の再読を終え、「後巷説百物語」にかかっている。何度読み直しても面白いし、新しい伏線の発見がある。うちの娘さんは、これを読んでいるのだろうか? 気掛かりである。未読なら、文庫版の方を買って送り付けようと思う。結構、思い込みの強い迷惑な親である。
mixi のメッセージ機能を使って、大塚寅彦さんから「中部短歌会へようこそ」の返事があった。略歴などをメールで送ってくださいとあるが、困った。略歴なんておこがましい。アルコールで萎縮した脳のリハビリに始めて、続けようと思いだしたところである。略歴もへったくれも茄子のヘタもあったものではない。あることないことではなく、ささやかな短歌を始めるに至った思いだけを伝えよう。
昨夜、お咲きさんに、送ろうと思っている短歌二十数首を見てもらった。流石に大学院で古典をやっていただけあって、朱が入る。「こんな言い回しはおかしい」「これこのままでいいの?」「この言葉こんな風に使う例があるの?」「まぁ、あんさんはこんなもんではないの」てな感想だった。とほほ。私の頭が単純であるから、もっと推敲するようにと暗に注意を受けた形である。でも、続けていることには感心していたようである。
自選中短歌・弐
胸に澱薬剤のごとつもりゆき暗きへ傾ぐ分銅天秤
ざわざわと同じ夢みるこの胸はなに飼ふ鳥籠開襟シャツ着る
がらくたの遺棄せし無念あらはにし遠くに聞こゆ太陽がいつぱい
ゆきやなぎ雪崩れてゆきて午後悲し露光オーバーの春を生きたり
主なき柱時計のぜんまいを逆さに巻けばぽつねんと部屋
立ち止まりオリオン仰げば三つ星の冬の切っ先喉元にあり
頑是なき我の上にも朝は降り寄る辺なき夜さよならをする
待ち合ひに命を拾ふぼろぼろの診察券の貼られていたり
只今のながらCD
THROUGH A BIG COUNTRY GREATEST HITS/BIG COUNTRY
by alglider
| 2007-07-16 14:50
| 短歌