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自選中短歌

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16:12

 雨である。


 爽やかな初夏の空を思い描いていたので、そのギャップで気が重い一日。昼近くに起きだして、点けっぱなしのテレビに目を遣ると、長野・新潟で地震のニュースが流れていた。お咲きさんはテレビをラジオのように聞きながら、隣の部屋のベッドで横になっている。

 「地震大きいらしいよ」と言う。

 切断された道路、倒壊した民家などが映し出される。小諸に住んでいる、ブログ仲間のたまちゃんが気にかかる。大丈夫ですかぁ?


 京極夏彦さんの「巷説百物語」と「続巷説百物語」の再読を終え、「後巷説百物語」にかかっている。何度読み直しても面白いし、新しい伏線の発見がある。うちの娘さんは、これを読んでいるのだろうか? 気掛かりである。未読なら、文庫版の方を買って送り付けようと思う。結構、思い込みの強い迷惑な親である。


 mixi のメッセージ機能を使って、大塚寅彦さんから「中部短歌会へようこそ」の返事があった。略歴などをメールで送ってくださいとあるが、困った。略歴なんておこがましい。アルコールで萎縮した脳のリハビリに始めて、続けようと思いだしたところである。略歴もへったくれも茄子のヘタもあったものではない。あることないことではなく、ささやかな短歌を始めるに至った思いだけを伝えよう。


 昨夜、お咲きさんに、送ろうと思っている短歌二十数首を見てもらった。流石に大学院で古典をやっていただけあって、朱が入る。「こんな言い回しはおかしい」「これこのままでいいの?」「この言葉こんな風に使う例があるの?」「まぁ、あんさんはこんなもんではないの」てな感想だった。とほほ。私の頭が単純であるから、もっと推敲するようにと暗に注意を受けた形である。でも、続けていることには感心していたようである。


自選中短歌・弐

胸に澱薬剤のごとつもりゆき暗きへ傾ぐ分銅天秤


ざわざわと同じ夢みるこの胸はなに飼ふ鳥籠開襟シャツ着る


がらくたの遺棄せし無念あらはにし遠くに聞こゆ太陽がいつぱい


ゆきやなぎ雪崩れてゆきて午後悲し露光オーバーの春を生きたり


主なき柱時計のぜんまいを逆さに巻けばぽつねんと部屋


立ち止まりオリオン仰げば三つ星の冬の切っ先喉元にあり


頑是なき我の上にも朝は降り寄る辺なき夜さよならをする


待ち合ひに命を拾ふぼろぼろの診察券の貼られていたり






只今のながらCD

THROUGH A BIG COUNTRY GREATEST HITS/BIG COUNTRY
by alglider | 2007-07-16 14:50 | 短歌

さびしさを糸でかがればかぎ裂きのかたちしてをり棘のあるらし


by alglider
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