アル中と短歌 + 短歌

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17:46

 ♪ゴゴゴー風が泣いているゴゴゴー……


 と、冬の始まりを感じさせる風が吹いています。マンションの裏が竹林なんだもんで、風の音がよく響きます。そんな中、買い物とただのイオン水をもらいにスーパーへ。で、喫茶店にも入って、アイスコーヒー300円の贅沢をしまして、出版社から送られてきた初稿の校正をして、ついで短歌を作っていました。優雅、優雅、でも風はゴゴゴーです。


 で、今日は文章を書くモードに入っていて、先日いただいた、くもさんからのコメントについて少し書きます。

>わたしもパンタタさんとおんなじように、
>歌にはひとつの「ものがたり」を封じ込めます。
>羅漢ほど崇高じゃないけど。

 羅漢を仏教の聖者のようにとられると困ってしまって、私の歌もくもさんの言うようにそんな崇高じゃありません。羅漢という言葉をつかったのは、羅漢そのもではなくて、羅漢像を彫る行為に作歌をたとえたんです。自分の気持ちのありように触れる、手探りする、彫るみたいなイメージです。五百羅漢のある寺などに行くと、その羅漢像の中に、見る人に似た像があるといいます。私も羅漢像を彫り続けるように歌を作り続けて、その中に自分に似たものに出会えればいいなぁ、とそんなところです

>もしかしたら、その「ものがたり」を紡いだもうひとりの「ひと」が読んでくれて、
>ああ、あのときそういうことあったねぇ、っておもってくれれば、
>二人だけの共有、それでじゅうぶんです。

 というわけで、私の歌はまったく勝手なものなのですが、そういう作り方の気持ちのありようみたいなものを誰かが共感してくれたらありがたいと思っています。これは、アル中になってから、お酒を断ちだしてから思い始めたことです。じゅうぶんであるとか、ないとかは、まだ考えてもいませんです。


>心には千のスイッチ眠りをり不安暗澹ブレーカー落とす

>さいきん拝読した歌のなかでは、さいきん拝読した歌のほうがわたしはすきでした。
>なぜなら「千」という数があること。わたしは読みたい歌があれば、
>その世界に無防備に飛び込んでいくのですが、数字がはいると、そこで頓挫してしまいます。
>ほんとに「千」あるの? 数えたの?  たとえとしては「あいまい」だよね。
>なんておもってしまいます。

 もちろん「千」なんて数えやしません。「多い」という喩えですね。「千」でも「万」でも「幾億」でもいいんですが、それは歌の流れや音の流れで選んでいる気がします。それと、「千」があいまいというのは、私にとっては選んだ結果の「あいまい」です。「千」ほんとうにあるの? という考え方は、伝えるのが難しいけれど、私にとって「お酒を飲んでいた」ときの思考パターンです。それは捨てました。ほんとに「千」あるのか、と探究するのではなくて、だいたい「千」だよね、多いよね、というのが、お酒を断ちだしてから選んでいる態度です。トポロジーみたいに、空間は球と穴がいくつあるかで分類できる、みたいなゆるい発想が今の私を助けています。先日、アル中の友達と話していたんですが、玉ねぎの中に何があるか? と剥き続けたのが、私のアル中真っ盛りのときの感覚で、今は、そういう作業を捨ててしまって、玉ねぎの曲線はどう緩やかか、とか匂いはどうか? とか、そういう自分の心持ちの曲線や匂いを確認していく作業の途中で、短歌を作り始めたんだと思います。

>で、次におもったり感じたのは、「スイッチ」があるから「ブレーカー」をおとすんですけど、
>「スイッチ」も「ブレーカー」も暗喩(メタファ)ですよね。
>ふたつのメタファがひとつの歌にあるのは「きつい」でしょう、と。


 これはまったくご指摘のとおりです。私はほんとに推敲しませんから。このごろ、やっとこさ、もうちょっと真面目にせなあかんかなと思っています。1年経ってやっとそこまで来たのかな、っていう感じです。




久々にmixiの短歌コミュに投稿しました。新作なわけやね。
題詠「罪」

本 を 読 む 君 の 視 線 を 盗 む 午 後 罪 ひ と つ 溶 け テ ィ ー カ ッ プ 白 し


ほんをよむきみのしせんをぬすむごごつみひとつとけてぃーかっぷしろし





推敲して変えました。

本 を 読 む き み の 視 線 を ぬ す む 午 後 罪 ひ と つ 溶 け さ め ゆ く 紅 茶


ほんをよむきみのしせんをぬすむごごつみひとつとけさめゆくこうちゃ





只今のながらCD

trampin’ / patti smith
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Commented by くも at 2007-11-18 20:27 x
推敲するとたいがい質が高まります。

が、
この歌は、前のほうがいいな。
じゅうぶんうまいですよ。

ふつう色は使わないほうがいいんだけど、
このばあいは、とても「白し」が効いている。

なんで「冷め」ちゃうの?
Commented by fukugafukuro58 at 2007-11-18 21:23
スパイダーズより、ゴールデンカップスが好きでした。
Commented by パンタタ at 2007-11-18 21:41 x
くもさんへ
前のほうがいい? うう、久しぶりに推敲したのに。
>なんで「冷め」ちゃうの?
と聞かれても、冷めていったのだから仕方がないというか。

まぁ、どっちがどっちといわれれば困るんですけどね。
「白し」も気に入ってはいるんです。ああ、投稿してしまいましたがな。書き換えようかなぁ......
Commented by パンタタ at 2007-11-18 21:42 x
ビリケンさんへ
今となっては、どちらも懐かしい。ゴゴゴー.......♪
Commented by 高人 at 2007-11-20 10:58 x
私は、あとからの歌の方も好きです。
勝手に「紅茶」の横に「ダージリン」なんてルビを振って読んだりしています。
紅茶が冷めてしまうのを忘れるほどの時間、思いを溶かし込み、罪深い物語に耽っていた、と受け取りました。
Commented by パンタタ at 2007-11-20 22:01 x
高人さんへ
お久しぶりで、御褒めいただいて、恐縮至極でありまする。
はは、ダージリンめちゃ字余り。ですが、そう楽しんで読んでいただいて、多謝多謝......
マイ奥さんの、お咲きさんもこっちがいいかな、と賛同をいただきました。
by alglider | 2007-11-18 16:16 | 短歌 | Comments(6)

さびしさを糸でかがればかぎ裂きのかたちしてをり棘のあるらし


by alglider
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