ブログトップ

あるのすさび

さびしさを糸でかがればかぎ裂きのかたちしてをり棘のあるらし


by alglider
プロフィールを見る
画像一覧

東京日記4 + 短歌

f0100480_21242099.jpg


23:39

 昔、


 よく行ったバーには、今でもマスターやママが友人だからときどきお茶やソフトドリンクを飲みに行く。友人、それは常連だったのでいいお客さんであったことを越えて、大切な人々になっている呼称である。


 それでも、居酒屋に行くことはなくなった。何人か会っておかなければならない友人もいるが、さすがに居酒屋ではお尻の座りがわるい。東京では久しぶりに短歌朗読会の流れで居酒屋に入った。辰巳泰子さんも、福島泰樹さんも日本酒を銘柄指定で注文し、大変よく似合っている。雰囲気がある。私も昔は日本酒の銘柄にこだわったものだが、もう忘れてしまっていて、これには自分でもちょっと驚いた。味の甘口、辛口も思い出せぬ。私と福島さんと並んでいる写真をおぽんちさんに撮ってもらったが、右手に煙草を挟んで顔の前で両手を交差させている自分の写真は、飲んでいたころの雰囲気そのままである。何だか笑ってしまった。


 昔、「酒場」という題で何首か作った。思い出して再掲。





悔 し み の 酒 場 ば ら ば ら 咲 く 花 の 散 ら して 紅 き 月 夜 を 帰 る


くやしみのさかばばらばらさくはなのちらしてあかきつきよをかえる





つ か の ま の 慰 安 と 不 安 交 差 す る 酒 場 を 我 の 兵 站 と して


つかのまのいあんとふあんこうさするさかばをわれのへいたんとして





黎 明 に 前 後 不 覚 の 悔 し み を 酒 場 に 預 け て 始 発 を 待 てり


れいめいにぜんごふかくのくやしみをさかばにあずけてしはつをまてり





ア ナ キ ス ト 酒 場 で 酔 へ ば 雪 の 降 る 医 者 は 戒 厳 令 を しき た り し か


あなきすとさかばでよえばゆきのふるいしゃはかいげんれいをしきたりしか





乱 痴 気 の 酒 場 墓 場 の 亡 者 た ち 逃 亡 す る に も 明 日 は どっ ち だ



らんちきのさかばはかばのもうじゃたちとうぼうするにもあしたはどっちだ






只今のながらCD

DAYS OF OPEN HAND / SUZANNE VEGA
[PR]
Commented by おぽんち at 2008-06-07 01:30 x
飲まなくなれば日本酒の銘柄を忘れるのは道理と思います。
し み の 酒 場 ば ら ば ら 咲 く 花 の 散 ら して 紅 き 月 夜 を 帰 る

いいですね。
実感します。
Commented by ボブ at 2008-06-07 01:38 x
「乱痴気の・・・」のお歌、結句をみると「明日のジョー」の有名な主題歌を思わせますが、私には映画「明日に向かって撃て」のほうも彷彿としてきます。
すべてのお歌に共通して、不安感、無常、虚無感のようなものから押し寄せてくる無頼を感じました。
ジャズがお好きなようですが、そこにも共通する心の何かがあるのでしょうか。

しかし、最初の歌にはやられました。

>悔しみの酒場ばらばら咲く花の

薔薇というか、バラという認識しかなかったもんなあ・・・・
更にとどめで

>散らして紅き月夜を帰る


だもんなあ・・・





Commented by おぽんち at 2008-06-07 03:19 x
ボブさん

>すべてのお歌に共通して、不安感、無常、虚無感のようなものから押し寄せてくる無頼を感じました。

私はパンタタさんのうたの、特に視覚的なものに反応しがちです。
虚無感というと、ちょっと私は違うかなと思います。
たとえば、虚無から吹く風のような、どういうわけかそんな言葉が浮かんだんですけれど、そういうとのは違うかんじを受けます。

触発されてできたうた…。
迷いつつ五月雨の夜の坂道を降りつつあおぐ満月の宵
Commented by パンタタ at 2008-06-07 22:53 x
おぽんちさんへ
やっぱり忘れますかね。お酒やめてからいっぱい種類が出たしなあ。
「酒場ばらばら」実感って....(-"-;)
虚無といえば中井英夫の名作「虚無への供物」ですね。
年に1回は読み直すかな。NHKでドラマにもなってビデオで持ってます。挿入歌(シャンソン)の「ラ・メール」がとってもいいです。

「五月雨の夜」と「満月の宵」
そういう夜もあり得る、のか?
悩みましたが、あるかもしれないなあ、とやっぱり悩んで.....うう...
Commented by パンタタ at 2008-06-07 22:57 x
ボブさんへ
無頼なあ、私、すんごく気が小さくて、で、お酒をいっぱい飲んだのかも。
ジャズはあんまり詳しくはないです。どっちかと言えばロック。
ロックは結構のめり込みました。これもお酒飲んだ理由か....
Commented by ボブ at 2008-06-07 23:00 x
To おぼんちさま

う~ん、「虚無感」という言葉自体が強すぎるので、それひとつに捕われてしまいそうです。
おぼんちさんの言われる(あるいは言われんとする)ことは全くその通りかと思います。
ただ、わたしは、(わたしには)視覚的なものの裡にある少しゆれるような心情に囚われてしまったのかもしれません。

「虚無から吹く風」

そのような風にふかれるタイプでないのは明白であって、むしろその状態を逆手にとって、その上で、いわば開き直って(また突っ込まれるな)自らの身の置き場を探す、(あくまで、この一連において、ですよ)ある種の無頼を苦しみつつ楽しむような、そんな雰囲気を感じたというだけです。

もとより、わたしごときが語れるような方とは思いませんし、また、歌の感じ方も受け手(それぞれの感性と方向性と程度、レベルにおいて)側のひとり一人に違いがあるかと思います。

昨日今日の人間が生意気申し上げました。

お気に召さぬ部分はご容赦ください。
Commented by ボブ at 2008-06-07 23:05 x
パンタタさま

今日はなんだかジャニス・ジョプリン、聞きたい感じです(苦笑)
Commented by パンタタ at 2008-06-08 00:09 x
ボブさんへ
すみません、今、ジャズ聴いてます。
なんでや。
Commented by おぽんち at 2008-06-08 00:10 x
うう、
私ごときが語るのも、もっとなんですけれど…。
虚無からの風は、たとえばアンドリューワイエスの絵のような感じです。
たとえば…、
かすかなる庵のともしび消えかかり窓辺に来る虚無からの風
てな感じ?でしゅ。
Commented by おぽんち at 2008-06-08 00:38 x
ボブさんへ

えっと、言葉足らずでしたので追加です。
虚無という言葉が強いとのご指摘、そのとおりかもしれません。

漢語でいうとなんでも強くなりますけれど…。

説明するとより説明する言葉がうそくさくなってしまうので意味ないかな…なんて思っちょります。

プアンタタさん

ちょっと酔っ払ってます。
すいません。
五月雨でも満月が見えた夜があったんです…。

ジャズ、フュージョン、ロック、クラシック、ヘビメタ、順不同ですが、同じぐらい好きです…。

今日は心地よい風が吹いていて、気持ちがよくてつい飲みに行っちゃいました。

musicallyな夜です。

Jaco聴いていただきありがとうございます。
なんだかとりとめなくてすみません。
Commented by パンタタ at 2008-06-08 01:08 x
おぽんちさんへ
五月雨と満月ですか、珍しいですね。いいもの見ましたね。
私は、台風が近づいて来ているときに、不思議と満月が見えていて、
すごい速さで雨を含んだ雲が通り過ぎたときに、
月の周りに円状の虹が懸ったのを見たことがあります。
あれには驚きました。
ちょっと酔っていらっしゃる、それはそれは。
梅雨に入りましたからね、心地よい夜は楽しまなくてはね。
by alglider | 2008-06-06 21:29 | 短歌 | Comments(11)