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月見る月は多けれど + 短歌

月見る月は多けれど + 短歌_f0100480_20371981.jpg


23:09

 昨日、


 アメリカの友人から「今こちらで月を見ています。空気が乾燥していることもあってとてもきれいです。そちらもきれいだったでしょう(大意)」というメールをもらった。そして、今日、mixi のマリアさんの日記に書き込んだコメントの返事の中に「世界中の人が見ているのでしょうけど なんだか月って日本だけのもののような気がしてしまいます」というのがあった。


 それで昨日、嗚呼、世界中が月を見ている(天候の条件はあるけれど)のだ、と改めて感じ入ってたところに、今日、月って日本だけのもののような気がしてしまいます、と読んで、嗚呼、それもそうだなあ、なんて全く無節操な感動の中を揺れ動いていた。うまくは言えないけれど、地域地域、民族民族、文化伝統の中で月は感受されていて、一つの共同幻想のようなものを作り出しているのだろう。アメリカに住む彼女も、そういう意味では日本の情感で以ってアメリカで月を眺めていたに違いない。


 今日の十六夜も空気が澄み、ことさらうつくしかった。そこで、また無節操に上に書いたことを翻すのだけれども、月って、世界でも日本でもなく、まったく個人が所有できる情感のように思えたりもする。私、対、月、という構図が成り立ちやすい。個と時空の対峙が感得しやすいのだ。私だけの月というわけだ。そこに何を込めるかは、やはり「個」であろうが、それを担保するのは共同幻想なんだろう。だから万人による万人の月の歌が永遠に支えられながら永遠に続くのだろう。遠ざかっていってるなんて物理の話はちょっと横に置いておいて。







最 初 か ら そ こ に ゐ た の か 十 六 夜 は 目深 に か ぶ る 鍔 先 の さ き





さいしょからそこにいたのかいざよいはまぶかにかぶるつばさきのさき






只今のながらCD

FEDERICO MOMPOU DISC1
by alglider | 2008-10-16 20:37 | 短歌

さびしさを糸でかがればかぎ裂きのかたちしてをり棘のあるらし


by alglider
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