霧でした + 短歌

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23:35

 扉を


 開けると外は霧だった。「ああ、これは電車が遅れているな」と思って駅に着くと、案の定、ホームは人でいっぱいで、先に出たお咲さんを探すと果たしていました。「こら、あかんな」と言うと、黙ってうなずいた。電車の来る方向を見ると、鉄路は霧の中へ消えて続いている。


 やってきた電車も満員状態で、快速電車が予定変更で各駅停車になってしまう始末。各駅だかから各駅から待っていた人が乗り込んできて、さらに満杯状態になる。のろのろ徐行運転しているのが、気持ちの上での救いで、これが信号待ちで止まってしまったら急病人が出てもおかしくはない。というか、お咲きさんが一番最初に倒れるだろう。どうか動けと念じながら、先に降りるお咲さん目的の駅までえっちらとたどり着いた。


 私が乗り換える大阪ではもっとひどいことになっていて、遅れは一時間を優に超えている。でも、遅れたゆえに電車が次から次へと来るのである。ま、こうなったら焦ることはないと、腹をくくって焦った人々がどどっと乗り込んだ満員電車をやり過ごし、次の空いた電車で職場へ向かう。


 で、何とか一日もやり過ごす。薬のお世話にならない日はない。処方通りだから、逆に言えば順調なのかもしれない。






朝 霧 に 佇 み を れ ば 足 元 に 行 方 知 れ ず の 立 ち 位 置 の あ り




あさぎりにたたずみおればあしもとにゆくえしれずのたちいちのあり







只今のながらCD

THE VELVET UNDERGROUND & NICO produce by ANDY WARHOL
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Commented by moonlight_swallow at 2008-12-11 23:30
霧すごかったですね。
ぼくもいつものスクランブルで立ちすくみました。
この感じを歌にしようと思ったのにもう
その時のリアルは刻々と薄れていってる気がします。
Commented by パンタタ at 2008-12-12 00:19 x
燕さんへ
いや、あんな深い霧をみたのは何年ぶりだろう。
霧の中のスクランブル、大きなやつだったら幻想的でちょっといい感じですね。リアルは変性してもいいとおもいますよ。
今だから詠える、という歌にすればいいのでは。
リアルにこだわらなくても。
薄れていってしまうものだなぁ、という詠嘆もまたリアルな歌ですよね。
Commented by moonlight_swallow at 2008-12-13 08:20
ああっ。
なるほど薄れゆくリアルもまた自分なのか。
いろんなことちゃんと見つめたら歌になれそうな
光景とか記憶とか気持ちとかたくさんありそうです。
Commented by パンタタ at 2008-12-13 10:00 x
燕さんへ
まだまだあの霧は歌えそうです。
Commented by tsukisitau at 2008-12-15 17:17
そんなにすごい霧だったのですね。めずらしい。
わたしも数年前にじぶんのかざした手すらみえない真っ白な霧に恐怖をかんじたことをおもいだしました。
Commented by パンタタ at 2008-12-15 21:39 x
桜さんへ
あれ、燕さんは「霧すごかったですね」おっしゃてましたが、
桜さんはご存じではないのですか?
手が見えないほどの霧は、ちょっと恐いなあ。
身動きできないですね。それこそ、立ち位置だけだ。
by alglider | 2008-12-10 20:14 | 短歌 | Comments(6)

さびしさを糸でかがればかぎ裂きのかたちしてをり棘のあるらし


by alglider
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