カテゴリ:回復過程( 51 )

断酒の弊害

f0100480_8184961.jpg

 徹夜バイト明け、土曜日だから人がまばらなオフィス街をぶらぶら北へ向かって歩いた。行きは地下鉄利用だが、帰りは二駅分歩くことにする。つかの間天気がよくて、途中、中之島バラ園に立ち寄った。この時期珍しく日本にちょいと向かってきた颱風1号チャンチーのせいで、倒れているバラ群も。大阪市の職員が手入れ、っていうか花を切り落としてゴミ袋に入れていた。しばらく様子を見ていると[ちわっ]と挨拶をされた。おちゃめな市職員である。写真のバラには[花名ブライダル・ピンク、産地アメリカ、製造者ブーナー、1967作出、系統F.]とありました。

 では、仮眠なしで交野の昼例会へ行っちまいります。参加証明の判子持ってるし、司会やし、私が行かな始まらない.......陰謀だぁ......続きは帰ってきてからですすすす.....

 今週は、久し振りに入院していた病院の院内例会に参加した。ここはテーマが出るんだけれども、今回は変わっていた、と思う。[自分の生き方の長所と短所]。ね、あまり取り上げられないテーマでしょ。で、変わっているだけにというか、単純なだけに虚を突かれたというか、あれこれ私の長所と短所は? って考えたけれど、長→あまり怒らないとか、短→すぐ諦めるとか、でもアル中病院の院内例会だからなぁ......って思っていると、体験談を求められた人は、やはり[えーっ、オレは気が長くて.....]なんて始めて、力技でお酒の話に持っていくという展開になってしまうのだった。きっと求められているのは、そういうことじゃないんだろうなぁー、なんて思いながら、ちょい寝をしてしまっていた....zzzzz.....

 すると、指名された。たはっ。久し振り、というのを忘れておったわい。当てる、看護主任は久し振りを指名する。お好みだ。話しだすと、しどろもどろ、というか、口が勝手に動いて[兎に角、オール オア ナッシングで、何かやりだすと、完成するまで二日徹夜しても平気なときもあれば、何もしないとなると、これまた一週間何もしなくても.....]などとという始末だ、ありゃりゃんこりゃりゃんピュンピュン丸だよ 状態.....

 でも、考えをまとめず話したことで発見もあった。それは、最近[退屈しない]ということだ。何日か自力でお酒を止めていたときは、退屈で退屈で仕方なかった。アル中の大先輩、我が兄に相談しても[オレは、退屈なときずっとビデオを見て時間を潰した。Hビデオでもなんでもええから見続けろ]という。そのとき、私は無人である実家に引きこもっていた。で、亡父が撮っていた役所広司主演(?)の宮本武蔵を回し続けたが、身が入らない、退屈である。心はお酒のことばかりであるから、それ以外は無意味な時間の大河なのである。しかし、最近は退屈しない。

 お酒を止め始めてから、いっときテレビをよく見るようになった。現在は、これまた全然見ないと極端なのだが、[この女優の名前は?]なんて、お咲きさんにしつこく聞くほど、お酒が止まってから、テレビ=女優がマイブームだった。で、今はまったく何もしなくても、退屈しない。座椅子にもたれて、ぼーっとしていても苦にならない。充実しているわけではないだろうが、平気のへいざである。

 そこで、最近読書をしていない自分に気づいた。お酒を飲んでいたころは、自販機→飲みながら歩きながら飲みながら→散歩→公園→ベンチ→読書→自販機→飲みながら....以下繰り返し、という日々だったから、読書量は結構あった。それが、なにもしなくても退屈しないものだから、本を読んでいない。電車の中でも、なにがなにしてなんとやら、退屈しない。これは、私にとって断酒の弊害である。再飲酒はしないが再読書しなければ......後ろを振り返れば、本が溜まってますやん、とほほほ......の

司会中寝てしまった....交野市断酒会の伝統です(_ _;)zzzz......


今日のながらCD
MENTANPIN/めんたんぴん

今日の一文
二日酔いの無念極まるぼくのためもつと電車よ まじめに走れ       福島泰樹

 
[PR]
by alglider | 2006-05-20 08:18 | 回復過程 | Comments(3)

第二の否認

f0100480_16384846.jpg

 摂津市断酒会創立5周年記念大会に行ってきました。摂津市断酒会は、入院していた病院の最寄り駅から二つ目の駅でやっていたから、入院中からずっとお世話になっていて、アル中の兄と偶然はち合わせをする、という小説よりも奇なる体験をした断酒会でもある。退院してからも1年間は欠かさず出席させてもらった。でも今日は、ちょっとした待ち合わせの行き違いがあって、1時間遅れての参加となった。

 記念講演は福井大学講師の西川京子先生。ずっとアルコール依存症者を抱えた家族問題に関わられている。講演の前半は家族がアル中を助けては、また飲酒する。サラ金などの尻拭いををしては、飲める条件を再構築する。警察は50代の一人前の大人でも家族に引き取りに来させる、といった、所謂イネイブラー・ループの話に当てられた。そのイネイブラーの構造が解明されたのは、ほんの30年ほど前ということだったから、以前の家族はアル中再生産工場といったふうだったのかも知れない。

 で、最近では新しい問題が起こっているという。それは、もう10年近くお酒を止めている旦那さんがいて、その奥さんが[離婚したい]と相談を持ち込んでくることがあるという。断酒会で長年お酒を止めている人は、会長や副会長など、なにかと世話役をやっている人が多い。その、奥さんに言わせると[断酒会のことばっかりやっていて、家庭を顧みない]ということになる。一方、旦那さんの言い分は[お酒止めていくだけで精一杯。他のことなんてとても]ということになる。

 これは断酒会などでよく話題になる[酒を止めているだけでよいのか]という問題だ。西川先生に言わせると、安定期に入っても[お酒を止めているだけ]というのは、次の現実に向き合わない[第二の否認]ということになるそうだ。とにかく止め続けるというのは、この時期になると対処療法みたいなもので、未来の問題は家族関係の方にあるのは当然だ。会長をやっている人の奥さんが、家族としての体験談を話す。アル中の私が言うのも何だが、そらぁ、悲惨なものが多い。しかし、夫婦二人そろって並んでいると、やっぱり男の方が偉そうにしていることがほとんどで、前から不思議に思っていた。酒害者本人が[止めるだけで精一杯]の言葉で[酒を止めているだけでよいのか]の問題を片付けても、家族の方からは[止めているだけではダメ]と答えが提出されている。しかも[第二の否認]として定義されるかたちで。[精一杯]を金科玉条のようにかざして通用するのにも、賞味期限があるということだ。

 私にも、同様の経験がある。体験談で話すこともあるのだが、入院費に30万円ほどかかって、保険が100万円ほど下りたから、70万円の焼け太りとなった。私は、その70万円を頼りに断酒会回りをひたすらしていた。その70万円が10ン万円になったころだっただろうか、去年の秋ごろです、お咲きさんが風呂上がりに、髪を拭きながら[ちょっと聞きたいことがあるんやけど]と切り出した。[保険で下りたお金、全部あなたが使っていいと思ってるの?][保険はあなたのためといっても、私がお金を払い続けていたのよ]。そう、私が自分の保険金を払うはずがないもの、私の稼ぎはすべてお酒代に変わっているのだから。私は、酒を止めるために断酒会回りが必要なら、回るための費用、交通費や食事代などなど、つまり保険で下りた70万円はすべて使っていいと、何のひっかかりもなく、オートマチックそう思い込んでいた。本当にその言葉を聞いた時は腰の力が抜けて崩れて落ちそうになった。何も応えられなかった。昼の断酒会に出て、夜の例会までの間、喫茶店で過ごすなんて優雅なことをやっていたのだった。お咲きさんは怒るでもなく[あなたのそういうところって、本当に不思議だわ]と言った。

 お咲きさんは、あまり私の断酒などに興味がないかのごとく、話に乗らない。私が飲んでいたときも、ひたすらかかわりを持とうとはしなかった。かつて、断酒会に[つぐないをします]という宣誓文があるという話をしたら[まぁ、やらしい]と言った人である。[つぐない]という一過性のニュアンスを持つ逃げを許さなかったのかもしれないし、刑罰を背負うような断酒には意味を見い出さなかったのかもしれない。しかし、私がお酒を止めるために、回りが見えなくなっていることには、警告を発した。いや、たんにお酒とは関係なしに[あなたのその性格おかしいわよ]ということなのだと思う。そこに[断酒]なんて理由を持ち込まないで、ということだ。ありがたいことで今のところ[第二の否認]に陥ることなく、私は、酒を止めることの意味を考える作業ができている。

今日のながらCD
CROSSING THE UNITED STATES/THE WHO

今日の一文
新しきものの予感の湧くごとし見てゐるガラスの青き切口
                                   板宮清治                  
[PR]
by alglider | 2006-05-14 16:38 | 回復過程 | Comments(12)

故のない万能感

f0100480_9365776.jpg

 今日は、以前に勤めていた、と言えばかっこよいが、馘になった出版社に顔をだしてきた。もう知っている人は二人だけと時間は流れていて、いかに会い行くのに葛藤があったかが自分でも知れた。仕事といえば聞こえはいいが、また企画が合えばよろしくとお願いに上がったのである。で、最近3キロも太ったので、大阪の街を歩き回ることにした。再開発の進む茶屋町あたりは、完全にお上りさん状態で、ここは何処っ、と彷徨いを楽しんだ。古本屋、書店などを中心に4時間ほど散策。欲しい本が、とにかくいっぱいあって、やはりお金を稼がねば.....と決意新た。吉本隆明さんが、杖をついて、やや腰が曲ったように歩いている写真に見入った。もう82歳だということだ。

 で、昨日ドライドランクのことを書いたけれども、自分のことをあまり書かなかったので、なんか自分を特権化しているようで嫌だから、お酒を止めて自分に起こった気持ちの揺れを少し書いておこうと思う。

 私の場合、プチはあっても大きな不安感というものはまったくなかったと思う。感じずに済んだというべきか。ぽんっ、と、飲まない世界に飛び込んでor身を置いて、飲んでいた世界の時間が自分のすぐ隣で流れている感じがしていた(今もしている)。二つの世界を同時に生きていて、今はこっちね、という感じ。で、こっちも居心地がよいので、今、ここにいる。でも、一年目ぐらいに、理由のない変な万能感を感じた。それは、ずっと止め続けられる(そんなことは分かる由もない。止まっているという現象なのだから)という自信とは全然別物で、お酒のことだけじゃなく、何ごとも説明できるという自信、何が起こっても動じなくやっていけるという自負、そんな感情が私を支配した時があった。一方で、その自信、自負は自分を超えているような気がする、なんか自分の中で座りが悪い、んで、主治医に相談した。
[そう、分析できていれば大丈夫]
と、言われたが、万能感を感じ続ける異様な気持ちの浮遊感は、胸にざわめきを起こし続けた。

 人に断酒の道を説くとか、再飲酒した人を助けようとか、そんなんじゃないのだ。あぁ、そのことは分かる、知っている、とすべてが大した出来事でないような気になってしまうのだ。一ヵ月ほどで治まったが、自覚していたおかげで、変な騒動を起こさなくてよかったと思う。あの気分のままに動かされていたら、なにか問題を起こしたことだろう。あとは、飲酒夢を見たとか、あまり心、感情の揺れはなかった。順風満帆というわけでもない。断酒会で聞く、先取り不安とかは軽くあったが、こんなんは誰にでもあるやろうなぁ、とお咲きさんと言い合っていた。プチ鬱はとにかく何もしなくていいのだ、と徹することにしている。愚痴ぐらい言うけど。だから、私の場合、今のところ、故のない万能感体験だけがドライドランク症状かも知れない。

追記/万能感。イチローのように速く走るとか、体を使うじょとは無理だけど、なんか小難しい本でも分かるような気になっていた。それとか、あの「オイラーの公式」の意味がわかるとか.....やっぱり変っ!の感情でした。

今日のながらCD
the FREE story/FREE

今日の一文
かなしさはきみ黄昏のごとく去る
                                  富澤赤黄男

       天武人さん交野断酒会にまたおいでーよー。まってるよー
[PR]
by alglider | 2006-05-09 09:36 | 回復過程 | Comments(3)

ビフォー・アンド・アフター

f0100480_14152885.jpg

. お咲きさんばかりに経済活動をしていただくのは、肩身が狭いので、というか、やはり自由に自分の算段で使えるお金がないと、日々、悪行を重ねている気持ちになってしまう。今、気持ちはプチ躁だから、えいっ、とばかりに深夜勤務のバイト面接に行ってきた。たくわえた髭を剃り、指定された午後4時の10分前には着いたのだが、40分も待たせる(合計50分待ちね)、でくの坊が面接担当だった。どこにいるか告げずにに離席したらしく、同僚の方が申し訳そうに[まぁ、そこに座って待ってください。探してきます]と椅子を薦めてくれた。このバイトなら、取材もできるし原稿も書けるし家事もそこそこできるし、採用されたらいいのですが(^^)v ふふふ、自立ね自立、じ・り・つ......ぽっ

 閑話休題。友人から[ドライドランクって何?]って質問メールが届いているのだけれども、ハッキリ言って私も詳しい定義は知らない。医者にとっても線引きは難しんじゃないかしらん、と実のところ私は疑っています。素粒子のようにこれがそうだとは言えない、....のようなもの、としか言えないもの。お酒は飲んではいないのだけれども、長年の飲酒生活によって、イカレタ脳が回復するまでにとる、異常、甚だはた迷惑な言行、もしくは感情の揺れ、とりついた不安感、平静感の喪失、いろいろ言えます。酒による前頭葉の麻痺状態が続いている感じですから、総じていえば、回りから見て理性が利いてないよー、危ないよー、それっ!っていう状態でしょうか。

 断酒会での体験談などでは、お酒は飲んでいないのだけれども、飲酒時のような抑えきれない[怒り][孤独][焦躁]を話す人もいます。また、どう聞いても、それはあんたのもともとの性格やろ、所謂[酒止めても治るかいっ]てな根性の曲った人が[まだ、ドライドランク状態でして.....]と逃げを打っている場合もあります。でも、一概にそれを指摘することはできないほど不明確な概念のような気がします。

 もともとの性格、質なのか、ドライドランクなのかは、さて置くとして、こういうことは言えるんじゃないかしらん。家がぼやにあったから、この際、以前から痛んでいた浴槽やベランダもすべて気になるところは改装工事して立派な家を建てましょう、っていうやり方で、ドライドランクを我が身を正していく戒めとするやり方です。実際お酒を止めている人のビフォー・アンド・アフターはすばらしい結果をだす場合が稀にあります。亡くなられましたが豊中断酒会の井上守一がやられていた酒害社会啓発活動なんかは、なかなか凡夫ではできるものではありません。しかし、酒を止めただけで、なにか立派な人、聖人君子になったような振るまいをする人も数多く出現します。いやはや。

 私は歪んでいた性格が飲酒に酔って破壊され、只今、再構築中ですが、病と資質は明確に分けて、自分を見極めたいという欲望がある一方で邪魔臭いやアバウトでいいや、っていうのが混在していますので、ビフォー・アンド・アフターは、他人から[またケッタイな家建てはりましたな]と言われるものにしたいと思っております......

 私に交互に訪れるプチ躁鬱もドライドランクかちらって、ちゃうちゃう、それはプチ躁鬱でんがな、まんがな、ネルソン・マンデラ。しやしや、悪夢はあまり見なくなりましたが、やはり2時間ごとに目が醒める、で、計4、5時間睡眠。つらいわー.......(-"-;)

今日のながらCD
DREAM OF LIFE/PATTI SMITH

今日の一文
喉元に酸ゆき涙ののぼりきてついにからだのおもてに出でず
                                   阿木津英

       天武人さん交野断酒会にまたおいでーよー。まってるよー
[PR]
by alglider | 2006-05-08 14:15 | 回復過程 | Comments(6)

その蕎麦屋の暖簾の隅にはゲバラが染め抜かれて…

f0100480_3552336.jpg

 昔、と言っても、多分、私がアルコール依存症と診断された前後と思うから7年ほど前かしらん....。関西では大きな郊外都市の枚方をぶらり散策的な、私のお気に入り的な雑誌の取材をやったことがある。私が案内役で枚方の手造り地味噌屋さんとか100円シュークリーム屋さんとか取材して回った....。

 私の好きな場所、枚方がちょいと見おろせる丘へ向かって(途中で枚方AAが開かれている教会を抜ける、が、当時はもちろん知らなんだ)カメラマンと歩いていたところ、開店して間もない、てな外装の蕎麦屋を見付けた。こういうとき、蕎麦好きは目敏いというか、鼻が利くというか、よだれが出るというか.....蕎麦をたくるのも速いが、店に飛び込むのも速い。ついで言えばカメラマンも蕎麦好きであったから即決[食べよう]と扉を引いた。

 まずは、ざる一枚を頼み、ずずっ、とやって、おろしを一枚追加。また、ずずずっずぅとやって、蕎麦湯を飲む。カメラマンと目を合わし、取材を申し込むことにした。最近テレビなどがやるアポなし、飛び込み取材というやつである。女将さんに、その意申し入れると、困った顔をして[聞いてきます]と厨房へと踵を返された。

 しばらくすると、丸狩りの眼鏡の奥に優しい目を細めた笑顔のご主人が表れて[普通、こういった取材は受けていないのですが、お二人の蕎麦を食べる音が気持ちよいほどでしたので、どうぞ取材をしてください]ということになった。昼下がりで、お客さんもまばら、店を開いたばかりなので、ご主人は聞き耳を立てておられたのかも知れない。まず食してから、取材を申し込む、当然のことだが、あまり守られてはいない。店自体も新しいが、取材は我々が初めてということだった。

 店内は従来の蕎麦屋の雰囲気ではなく、アフリカから取り寄せたという、15席はあったかな、大きな一枚板のテーブルのみ。床というか、足元は土で、土俵をつくる要領で固めたという。窓は採光のため大きく開かれ、塗られたままのコンクリートも見てとれる。しかし、あの鼻持ちならないモダン、小ジャレたお尻がむず痒くなる店でなく、新しくそこに落ち着く、という感じで、取材を離れて気に入ってしまった。蕎麦のほうは、ここまで書いたのだから、何をかいわんや、である。

 礼を言って、辞すると、その暖簾の隅に小さくチェ・ゲバラが染め抜かれていた。もちろん、店の名との関連は想像しがたく、関係ないと思われる。ご主人はコピーライターなどの経験を持つ転職組で、私の原稿も気に入ってくださった。

 依存症になってからも、お酒と共にの昼蕎麦を楽しんでいたが、お酒を止めてこのかた足は遠のいている。前にも、書いたが[お元気ですか、たまには顔を見せてください]との賀状が届く。久々にお酒抜きでいくつもりだが、ゲバラのことは想像する楽しみとして残しておくことにして、理由は尋かぬつもりだ。

余談
私が取材したころの枚方には信号のない五叉路、というとんでもないものがあって、誌面で苦言を呈したら、しばらくして信号が設置された。誌面の効果かどうかは分からない。多分、市民からの苦情もあっただろうし、設置時期と重なっただけだと思うが。しかし、当時、何となく誇らし気であったのを思い出す。

今日のながらCD
SPRIT/SPIRIT

今日の一文
俺は急所を見ることが好きだ
心の深い部分で
それが急所であることを感じるのが好きだ
ところでどこが心の深い部分であるのか
それは知らぬ
俺の知っているのは
あつぼったい魂をギュギュつめ込んで走る
あの鈍重な市街電車にも急所があるということだ
                          急所がある(抜粋) 天野 忠

       天武人さん交野断酒会にまたおいでーよー。まってるよー
[PR]
by alglider | 2006-05-07 03:55 | 回復過程 | Comments(3)

レポート

f0100480_21275851.jpg

 改正←かいせい、で変換したら、が、でた。ほんに憲法記念日じゃわいな。ほんとうは快晴にでてきてほしかった。では、改めて。ほんに今日は快晴で、微熱を押して、自転車でビューン ℃ ̄◎≡ と寝屋川市断酒会一日研修会へ。下り坂だから、10分余で到着。以下は考えさせられたことレポート......。

 [一所懸命という言葉もでてきた]
ここで私は、発表者が断酒に[一所懸命]になっている、あぁ、よかったよかった、というところはスルーして、[という言葉がでてきた]というところに、心がいった。自分の中に[〜という言葉がでてきた]と認識しているのと、ただの[一所懸命]では、天と地以上の隔たりがある。

 同じ思いが聞けました。[その場所で飲みたい]。タクシーで駆け付け、タクシー代が3000円としても飲むのは、せいぜい一杯500円とかね。私もあったなって、思い起こしました。もう、飲めないのに行くのね。これも、分析の対象ですね。なんなんだろうなぁ......。24時間いつでも飲める店をキープしてた話も、頷きもんやったです (^^)v 

 親の葬儀のときに[堂々と飲めると思っていた。香典で飲んでいた。人間じゃなかった]との言葉。私はそうじゃなくて、人間はそこまでいくよ、そこまでしてしまうんだ、という立脚点からアル中を考えたい。それは戦争を人間の仕業じゃないと言ってしまう危うさと一緒だと思う。

 故・茨木のり子さんの[自分の感受性くらい]の引用した体験談もありました。私は詩が好きだから、ずっとまえからこの詩を知っていて、アル中になったとき、どう扱えばよいのか思案していたのです。やっぱり、この詩はアル中の中で問題に、というか俎上あがるよなって感じです。[自分の感受性くらい/自分で守れ/ばかものよ]といわれても、意志で止まらぬ、と、宣告されたアル中の私にとっては、この詩を、もう一度、どう捉えかえすか、自分のものにするかは、まだまだこれからです。病気か意志か、見わける賢さを......ですかね、それともウルトラして一挙に受け入れるか....難しいこっちゃですすす......茨木のり子はアル中にとって難題だぞ!

と、いうわけで収穫の多い一日研修会でござった(^^)v

今日のながらCD
NEROLI/BRIAN ENO

今日の一文

ぱさぱさ乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて

気難しくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか

苛立つのを
近親のせいにはするな
なにもかも下手だったのはわたし

初心消えかかるのを
暮らしのせいにはするな
そもそもが ひよわな志にすぎなかった

駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄

自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ
                              自分の感受性くらい/茨木のり子


       天武人さん交野断酒会にまたおいでーよー。まってるよー
[PR]
by alglider | 2006-05-03 21:27 | 回復過程 | Comments(6)

依存味

f0100480_0481449.jpg

 むかし昔、まだ駆け出しのフリーライターだったころ、[六味]という小さな割烹料理の店に取材にいったことがある。で、五味という言葉があるでしょ、甘[あまい]鹹[しおからい]辛[からい]酸[すっぱい]苦[にがい]という、あれ。六味というのは、店のご主人によると[あぁ美味しい]という感動、まぁ食事による調和のとれた満足の味ということだそうだ。調和のとれた、というところなんて、なかなかにくい。食雑誌ではよく[口福]なんて造語をつかって、そのニュアンスを伝えることもある。

 で、昨日、都島断酒会の昼例会に参加していて[あの酔いの世界]という言葉が深く印象に残った。断酒会の体験談で、お酒を切っていく、離脱の苦しみ、や、どれだけ周囲に被害を与えてきたか、自分はどれだけ酷いアル中であったかということは語られるが、魅惑的だった[あの酔いの世界]について語られることは滅多にない。どういうことだろう? 再飲酒が恐くて無意識に避けているのだろうか? 忘れてしまった? そんなことはないはずだ。忌避することなく[あの酔いの世界]の魅力は積極的に語られるべきだと思う。

 んで、夏が近づいてきて、ビールのコマーシャルが増えてきた。テレビで豪快にググッと一気に飲み干すシーンが、今さら気づいたように目にとまった。
 [おや、このコマーシャルずいぶん前からながれているよなぁ? お咲きさん]
 私はビールで依存症になったと言っても過言ではない。アルコールなら何でも好んだが、ビール以外は味わって飲むというアル中らしからぬアル中で、ビールはいつも片手にあった。だからビールをチビチビとやる。[ググッと一気に飲み干す]コマーシャルは[チビチビ]でないから、意識に焼き付かなかったようだ。私の[あの酔いの世界]への入り口は、日がな一日だらだら飲むビールだったのである。

 んんで、目が醒め、その一日の始まりの、ひと口目のアルコールはどのような味だったかと思い出すと、五味でもなく六味でもなく[あの酔いの世界]へ連れていってくれるのは[依存味]であった。現実には存在しない、頭の中だけにしか存在しない味、そういった意味では神と一緒だ。初めの一杯の味わいは遠くにある[あの酔いの世界]を思い出させ、胸の奥をわくわくと小躍りさせる。ふーっ、と意識が胃の中に落ちていき、胸に少し競り上がり、脳が遠くを見つめるあの味わい、依存症になった者にしか味わえぬのが[依存味]で、その味は病的にできあがった脳内の回路を光速で伝わってβエンドルフィンを増殖する。

 んんんで、[依存味]と[あの酔いの世界]は忌避されものではなくて、積極的に物語化さればならぬ。私の脳は、かつての神を覚えているるるる.......

追伸
 買い物に行きすがら考えた。あの名状しがたい快楽を、[依存味]という言葉にしてみると、私は発症(?)していないが、SEXやギャンブル、買い物の依存症も分かるような気がする。もっとその快楽自体は、文学の中だけでなく、病を持つ人々から言葉や物語りにされた方がよい。そういう意味では中村うさぎさんのはリハビリエッセイか.....特権化はしすぎてるけど.....

今日のながらCD
comme a la radio/Brigitte Fontaine

今日の一文
チャーリー・ブラウン[さあ ごはんだ!10分早く もってきたぞ・・]
スヌーピー     [じゃあ、 ちょっと待ったほうがいいな・・
           ぼくは 起きてるかもしれないが、おなかは まだ寝てる・・!]
        
              チャールズM.シュルツ/谷川俊太郎訳/スヌーピーのもっと気楽に
[PR]
by alglider | 2006-04-27 00:48 | 回復過程 | Comments(1)

アル中中

f0100480_1444716.jpg

 今日、大阪あたりは春爛漫で散歩に出かけた。近くにパークライフができるほどの整備された大きな府立公園がある。この阿片畑もそこで撮影した。ほんに今日は素足に草履が気持ちよい。私は、これから草履の季節に入る。いつ鼻緒が切れてもよいように代えを一対リュックに入れて出かける。

 そんなことはどうでもよい。[中]の話である。散歩帰り、イズミヤに買い物に立ち寄った。で、小用を催したのでトイレに入ると、二つある小便器のひとつに[故障中]とある。ねっ、変でしょ。前に何かの本でチラッと小目目にはさんで気になっていたのです、この[中]のことには.....。[修理中]なら話は分かるんです。[故障中]には、どこか、勝手に治癒しそうなニュアンスを感じる、[療養中]みたいな。しかし、小便器が自然治癒することは決してないでしょ。これは単に[故障]と貼り紙をすれば、いとよろし。

 この[なんたら中]には、人が関与しない状態ではつかえないんじゃないかしらん、と思う。[中]を付けるか付けないかは、きちっと分けられないんどろうけれど、何か理由があるはずだ。私は文法学者じゃないし、まして小目目にはさんだ程度だから、これはこう、それはそうと、きっちっとは分かられない.....。高島俊男先生にお手紙だそうかなぁ.......。たれか知っている人いる? 多分[中]を使って違和感のないのは、人が関係する状態・状況なんかでしょ。[停車中]は、車を停車させている人がいるから[中]が使えるのんでしょ。[停車]だけだと教習場だ。小便器を故障させている人がいたら、注意しなければならんのであって[中]をつけるのは、やっぱ変だ。なんか人の意識の感触もちょっとするよね、[休憩中]とか[睡眠中]とか......。変な[中]の使用例が町に増えてきている気がする。昔のサザエさんを読んでいても、温泉のマッサージチェアに[故障]とだけ貼り紙してあったもの。[営業中]の反対語は[閉店]ではなくて[閉店中]なのだ、とも思う。

 んで、残念ながら[アル中]には[アル中中]というものはないのだ。ただ、たんたんと[アル中]に徹すれば、いとよろし.........

今日のながらCD
サティ ピアノ作品集3 四手のためのピアノ作品集/高橋悠治

今日の一文
月夜の晩に、拾ったボタンは
どうしてそれが、捨てられようか?
                                   中原中也



携帯で追伸
 [なんたら中]の表現のなかには、それ自らが変化していく過程や、他力を得て変化していく過程の、[時間の推移]が含まれているようだ。だから[故障中]は変で[修理中]は、変ではないのだ…。
 しやしや、それでヘルメットを被った男性が、正面を向いて頭を垂れている絵の[工事中]の立て看板があるでしょ[謝ってるから気ぃつけやぁー]的なやつ。それで先週、酒害相談講習に行く途中で、[工事中]と同じパターンなんだけど[修繕中]っていうのを見掛けた。それも小さい。その小ささが[工事中]ではなく[修繕中]によく似合っている。なんか懐かしくって[修繕]っていい言葉だなぁって思った。頭も垂れていなかった、いとよろし。これから使おうって。おじさんが扉の下をこそこそいらっていた。[営み]という言葉も、誘われたかのように浮かんできた。

携帯から送るので誤字脱字、乞う容赦…パンタ



 
[PR]
by alglider | 2006-04-24 14:04 | 回復過程 | Comments(3)

昼の北新地 故障君その4

f0100480_140132.jpg

 今日もサクッとパリッと簡単なブログといこう! まずはレボトミンの効果結果報告。朝、なかなか起きられず、9時45分の目覚ましが鳴っても身体が重くて、うとうと20分ほど二度寝。いざ起きてみると、口はからからカラハリ砂漠、歩みはふらふら腰のフラメンコ。こりゃ効き過ぎでねぇの.....。イヤな夢は見た記憶はあるが確かに途中覚醒もせんかった。しかし、だだだだだるいですがなぁ。結局、都島の昼例会が終了する4時ごろまで体調がおかしかったです。

 アル中のアルラはんが[いつ、薬飲んだん?]と聞くから[先生の言うてたとおり、寝る前、2時半ぐらいや][あんがっ! そら、今の今まで薬が効いててもおかしない。10時ごろ飲まな][しやけど、薬剤師も寝る前って.......]
 またこの話を、お咲きさんに言うと[あんがっ! ワテもそう思う。アル中のアルラさんの言うとおりや]とおっしゃいました。あんがっ! 今夜は早めに1錠ね.... )o( アッチョンプリケッ!

 夜は毎度毎度の酒害相談講習会へ。第3回目の講習担当は私の通っているクリニックの所長、平野建二先生。クリニックで開いている[アルコール講座]とほぼ同じ内容だから、この詰め込み講習の中でも余裕を持って聞くことができるはず。私は何度もこの[アルコール講座]を受講しているのだから.....おっ、やっぱり新しい発見があるやん、回復が進んだのか、それとも認知症が進んだのか....難しいところであるよのぉ、のぉ、お咲き、寝たのね.......。しかし、平野先生のかますベタな冗談だけはしっかりポイントを覚えていて、あぁ、ここで[死んだらもっと美しくなる]というブラックジョークを入れるな、なんて分かってしまう、悲しさよ....とほほほ

 明日は昼間から時間があるから、ゆっくり回復を目指して文章を書こう、今夜はこれで、ベルリン天使の夢を見るのだだだだ.......(^^)/

今日のながらCD
THE BLUES GANG LIVE/KIMURA ATSUKI&THE BLUES GANG

今日の一文
うっとりとお前の一日がすぎてゆくほとりで、何の不安もなく伸びてゐたものがある。それは小さな筍が竹になる日だった。そよ風とやはらかい陽ざしのなかに、縺れてほほゑむ貌は病んでゐたが。
                                 真昼  原民喜 
[PR]
by alglider | 2006-04-19 14:00 | 回復過程 | Comments(0)

点滴 故障君その3

f0100480_12511084.jpg

 少しの間、頭の中を覗くような作業は中断して、平凡な日記をしたため回復を待つことにしたよん.....♪

 本日は予定通り、クリニックに行って診察。今ごろ何故起こったか、の原因は分からんちんだが、かなりきついストレスであるとのこと。回復過程にはよくあることなのか、主治医はたんたんとしたもの。じゃちょいキツの薬出しましょうか、ってレボトミンを処方される。そういや、アル中初期に服用していたような気がする。

 で、ジュンク堂に行く前に、1000円散髪屋に参じる。後頭部に5円玉ぐらいの円形脱毛になっている旨を話し、善処してもらう。昔昔、虎が煙草を吸っていたころ、じゃなくて、まだ仕事がワープロとファックスの時代。某関西大手鉄道会社の入社案内のコピーの仕事を受けていた時、朝方まで不可、手直し、不可、手直しの繰り返しを代理店としていて円形脱毛が半日にして複数できた記憶がある。さて、今回の円脱について、お咲きさんは[いったい何の悩みがあるの]と言われた。その昔昔になった円脱は仕事が片付いたらすぐ治癒した。今回のものは消えない、ここに意味深いものがある。恐るべし、お咲きさん......。

 ジュンク堂で本を探索。ちくま文庫の新刊が頑張っているぞ。しかし、筑摩は高い!美術史のコーナーに行くと、やっぱりウンベルト・エーコの[美の歴史]が輝いている。新刊ではないけれど[絵画の準備を]朝日出版の中の「誰がセザンヌを必要としているか?」の項を立ち読みする。岡崎乾二郎×松浦寿夫の対談は面白い。

 寝る前にレボトミンを2錠飲むことに。効き過ぎると起きれぬかも知れぬ、という。その時は1錠に、それでも効果アリっ!なら半錠に......でも長年お酒を飲んできたせいか、生まれつきの体質なのか薬の効かぬことが多いこの私、さてさてどういう結果になりますやら、今夜のお楽しみはレボトミンよ、うふふふ.....)o( アッチョンプリケッ!

今日のながらCD
TEARS ROLL DOWN(GREATEST HITS82-92)/TEAS FOR FEARS

今日の一文
宇宙は次に起こることを見定めるためにサイコロを降りつづけるので、ひとつの歴史しかもたないわけではありません。かわりに宇宙は確立がゼロでない可能性のあるすべての歴史をもたなければならないのです。

*これ回復過程にいい言葉だなぁ   

       ホーキング、未来を語る スティーヴン・ホーキング
[PR]
by alglider | 2006-04-18 12:51 | 回復過程 | Comments(6)

さびしさを糸でかがればかぎ裂きのかたちしてをり棘のあるらし


by alglider
プロフィールを見る
画像一覧