お遊戯会
2009年 04月 22日
22:51
この前、
聞いた話によると、最近、幼稚園などのお遊戯会では主役を決めないそうだ。みんなでやる、これが平等なのね。たとえば「桃太郎」をやるとする。みんなが桃太郎の台詞を少しずつ覚えて交代で演技する。みんなが一言ずつ台詞をもらい、主役になるのだ。
ということは、猿や犬や雉もみんなで一言ずつやるんだろうな。あの子は桃太郎と犬の台詞をもらったのに、僕は桃太郎だけだった。それも「えいえいおー」の勝鬨だけやんか、なんて揉め事がおきないように。
「なんであの子が桃太郎で、うちの子が猿なのよっ!」と噛み付く、モンスターペアレントと呼ばれる親たちへの配慮もあるんだとか。でもああいう人たちに限って、身勝手だから、スーパーで買い物してレジ係が「ありがとうございました」と言わなかったらクレームをつけたりするのだろうなあ。給食費を払っているから「いただきます」は言わなくていい、という論理構成らしいから、それなら、レジ係の人は経営者から給金をもらっているんだから客に「ありがとう」と言う必要はあるまい。雇い主に礼を尽くせば事足りるというわけだ。
閑話休題。で、そんなお遊戯会を経験した子供たちが、同窓会をしたら「お前が桃太郎1でおれが3でさあ、あいつは5だったよな」なんて、だれでもよくなってしまい、思い出は記号化され均一化されるだろう。誰が誰の思い出でもよくなってしまうのだ。猿、犬、雉にもプライドがあり、それなりの演技が必要で「ケン」と啼くたった一言で芝居が成立したりつぶれたりすることをどこで学ぶのだろう。
「僕が真実を口にしたら世界は凍りつく」と言ったのは若き日の吉本隆明だったか。これは連想で余談。
只今のながらCD
FREE LIVE ! / FREE
by alglider
| 2009-04-22 20:16
| 日々是口実