フツーの貶め
2006年 06月 08日
フランシス・ベーコンによるミック・ジャガーの肖像
愚痴やら他人様のことをとやかく書きたくないが、何故か身に降りかかったことでもあり、キーボードに向かったらそのことが頭に浮かんできたので、書くことにする。
20年近く髭を蓄えていたが、バイトの関係で剃ることがでてきた。そこで、である。かねてから、このアル中なにを考えとんねん!? と、いぶかし気に思っていたオッサン中が、
[すっきりしはったなぁ、髭剃らはって]と宣う。
はぁ、と、ナマ返事するものの嫌な予感.........オッサン中続けて宣う、
[その方がよろしいわ。清潔で、髭は不潔や汚い......]。
やっぱり、この中の思考回路はこうであった。なんと無礼な酒精中毒者であろうかっ! 私の心の中は、なんたることを#ルサンチマン#である。はぁ、不精髭でしたから(本当に不精だっただけなのだが)、と応えながら[また、そのうち生えてきて伸ばしますから]と、微笑み返しをした。ふふふ、オッサン、その95%禿頭は剃ることはできても、生やすことは出来まいて......しかし、この手のオッサンは自己中であるから、私の微笑み返しの含意に気付かない。
[このアホ、また髭伸ばしよる気か、せっかく人がすっきりしはったなぁ、と言うたってんのに]
ぐらいしか、心に思い付かないのである。
で、このオッサンが何故かねてから[!?]マークだったかと言うと、多々無礼非礼の発言をくり返されておられるのである。ある日、オッサンかく語りき.....
[生活保護を十ン年受けているアル中もいて、と、この前○○先生が言ったはって......何とかならんのかなぁ(こういう輩は).........云々]
口あんぐり。フツー生活保護受けている人の前で言うかなぁ、しかも○○先生の言葉にして自分の言葉に権威を付け、一般論を装う。これは質の悪い誹謗中傷である。で、本人が無自覚であるから始末が悪い。きちんと話されるべき社会問題が、他人を揶揄するときの武器として用いられる。
個人の資質のみが問題視されて疲れ果てたアル中同士の中でも、傷口に塩を擦り込むようなことが起こるのである。こういう人に限って、確かに生活には困っていない人が多くて、この人の[アルコール依存症であること]は、いったい何なのだろう、と、首を傾げてしまう。断酒して、フツーの人のように、人の悪口を言ったり、貶めたり、傷つけたりできるようになりたいのであろう、と思ってしまうが、
[パンタさん、あの人はそういう人やねん。そんな人ぎょうさん世間にいたはるがな]
の、老師の言葉に[あぁ、世間なのね]と、また他人様や世間様との距離の計りかたを考えてしまうのであった。私は[アル中になって良かった]と言う人もいるが、決してそうは思わない。ただ、なってしまったんだから、フツーの人に回復するだけではもったいないと思うのである。望んでなったアル中ではないが、フツーに戻るだけならアル中になってしまった甲斐がない、と思っている。フツーの普通を目指すのは特異点を通過してからだ。
今日のながらCD
BBC SESSIONS/LED ZEPPELIN
今日の一文
できあがりの時から
のぼりおりしてきた
階段のへこみの部分には
階段がたまってくる
だからぼくは
階段を
ずりさげるようにのぼり
せりあげるようにおりる
階段で
まだどこへも行けたことがない
そのかわり
いつも階段へ
つらく案内される
ぼくはもう
こういうことから
一段
おりたい 日記のように(七) 松下育男
*松下育男ヘヴィーローテーション
天武人さん交野断酒会にまたおいでーよー。まってるよー
by alglider
| 2006-06-08 11:01
| 回復過程