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紫陽花梔子咲いたよ、そして芥子も   一首



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19:37



二 つ ぶ の 向 精 神 薬 こ ろ が せ ば 指 の 谷 間 に 薄 日 は 差 せ り



ふたつぶのこうせいしんやくころがせばゆびのたにまにうすびはさせり



 5月に


 職場の健康診断があった。先日、誰よりも早くその結果が部長の手から渡され「あれ、何か引っ掛かったかいな」。というのも、検査結果に異常がない人はもっと後に庶務係が配るのが普通なんである。で、去年の秋のもそうだった。早い、というのは早く対応しなさいという計らいであろう。封筒をあけ診断書を見ると「治療要す」のD判定が二つ。一つは悪玉コレステロールは範囲内なのだが、善玉コレステロールが異常に少ない。40~119mg/dLのところ29しかない。前回は34、前々回は31、毎回D判定である。どうしたものか。赤血球数が多くヘモグロビンが少なく、白血球数が多いのは只今絶賛治療中である。この程度で部長から手渡しされることはない。よくよく見ると胸部X線の欄に「左下肺野 限局性浸潤影」とあった。


 胸部X線で異常を指摘されるのは2回目。1回目は背中に出来た腫瘍(良性のイボのようなもの)が影となって写り込んだもので、これは形成外科で切除してもらって終わり。今回はよく分からないのだけれど、調べると浸潤影というのは癌などには滅多に見られないもので、肺炎とか結核、気管支炎など、知らない間に罹患し知らない間に治ってるときにも写ったりするそうだ。そういえば今年の初め、吸入薬が要るていどの喘息に罹っていた。それかな。精密検査の結果を会社に出さなければならず、面倒なことだ。


 お酒を飲んでいたころに勤めていた出版社の健診でγ-GTPの数字(600とか800とか、笑)がめちゃくちゃ高く、編集長に呼び出され「このまま働かせると私は責任を問われる」と困らせたなあ。ま、結局お酒にせいで辞めることになったんだけど。



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           こころにも膜があるならにんげんのいちばん痛いところに皮ふを

           駅長が両手をふってうなずいて ああいとしいね、驟雨がくるね

           ほの青い切符を嚙めばふるさとのつたないことばあそびせつない

           月を洗えば月のにおいにさいなまれ夏のすべての雨うつくしい

          煮えたぎる鍋を見すえて だいじょうぶ これは永遠でないほうの火



 井上法子さんの第一歌集「永遠でないほうの火」(←クリック 注:関西在住の人は葉ね文庫←クリックでどうぞ)が出た。mixiを通じて知り合ったころ彼女は大学受験生だった。明治大学に進み、立教大学大学院修士課程を終え、今は東京大学大学院の博士課程に在学中である。何だか、理由はないけど「思えば遠くへ来たもんだ」という言葉を思いだす。福島から上京して、道に迷いながらたどり着いた紀伊国屋新宿店に、今や彼女自身の歌集が並んでいるのだ。万感胸に迫るものがあるよね、これ。私も頑張らなくっちゃ。励みになるなあ。



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 紫陽花が駅までの小径を彩るようになり、そして、今日は梔子の花が咲いていた。ひと雨ごとに思いは深まり、われより先に逝きし人たちを毎年思う水無月である。



 そんなこんな。





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只今のながらCD

TOO MUCH / TOO MUCH
by alglider | 2016-06-12 16:20 | 短歌

さびしさを糸でかがればかぎ裂きのかたちしてをり棘のあるらし


by alglider
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