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望郷 + 短歌

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22:32

 明日は


 休みを取った。京都・磔磔で「寺山修司没後25周年記念 福島泰樹短歌絶叫コンサート『望郷』」があるからだ。職場からだと早退しないと間に合わないし、間に合っても終わってからゆっくりお話する時間が取れない。それなら、と休みを申請して、会場の手伝いなどをやりつつ、「月光の会」の詳しいことや季刊「月光」のこと、もちろん短歌のことを話する時間を確保したわけである。


 寺山修司さんへの追悼ばかりではなく、塚本邦雄さん、小笠原賢二さん、菱川善夫さんへの追悼短歌が絶叫されることだろう。また、今回は新作として1949年に17歳で自死した詩人・長澤延子さんを追悼する「らんるの旗」を披露するとメールにあった。


 長澤延子さんの詩で有名なのは、「二十歳のエチュード」の原口統三さんの言葉を序に用いた「別離」だろう。下に前半部分を記す。「千の風になって」の冗長なセンチメンタルから、なんと遠く離れた孤高で激烈で静謐な死の詩だろう。アドレッセンスのなせる自己膠着的な抒情の部分もあると言えるが、それを差し引いてもこの詩は立ち上がっている気がする。「千の風になって」と立ち位置が違うといってしまえばそれまでだが、こういう歌もあることを忘れてはいけないのだと思う。



別離                     長澤延子




別離の時とはまことにある・・・・・・朝がきたら
友よ 君らは僕の名を忘れて立ち去るだろう

                      原口統三

友よ
私が死んだからとて墓参りなんかに来ないでくれ
花を供えたり涙を流したりして
私の深い眠りを動揺させないでくれ

私の墓は何の係累も無い丘の上にたてて
せめて空気だけは清浄にしておいてもらいたいのだ
旅人の訪れもまばらな
高い山の上に-
私の墓はひとつ立ち
名も知らない高山花に包まれ
触れることもない深雪におおわれる
ただ冬になったときだけ眼をさまそう

ちぎれそうに吹きすさぶ
風の平手打ちに誘われて
めざめた魂が高原を走りまわるのだ








短歌はずいぶん昔に作ったジャニスに献じた連作の一首、その2。


去 つ て 行 く 悲 し み す ら も 哀 し か り 「 失ふ も の が な け れ ば 自 由 よ 」 と




さってゆくかなしみすらもかなしかり「うしなうものがなければじゆうよ」と






只今のながらCD

COMPLETE PIANO WORKS / FEDERICO MOMPOU
by alglider | 2008-10-01 21:14 | 短歌

さびしさを糸でかがればかぎ裂きのかたちしてをり棘のあるらし


by alglider
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